投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

貴方を、護りたい・・
【純愛 恋愛小説】

貴方を、護りたい・・の最初へ 貴方を、護りたい・・ 4 貴方を、護りたい・・ 6 貴方を、護りたい・・の最後へ

護りたいのに・・-1

「おはよー」

教室に爽やかな声で皆に声を掛けるしゅう
その挨拶は樹里奈にも普通に加えられ、ただ樹里奈が昨夜のお礼を言い、それに大して
彼が「どういてまして!」と言う言葉のキャッチボールがあった事を覗いては

しゅうは案の定、クラスメートに囲まれ相変らず人気、いや慕われており・・彼らしさを
象徴して居る様で

「・・・」
ボーと彼を見つめる、彼女は既に掛かっていたのだ『彼』という魔法に

「樹ー里奈っ!」
春華がヒョイと顔を覗かせハッとする

「春華・・」
「どうしたの、口空いたまんまやで?」

顔を沈ませ視線を避ける

「しゅうの事、気になるの?」
春華の言葉にハッとし春華も図星だと確信し、樹里奈は春華をトイレに誘い自身の想いを
打ち明ける事にした

「そっかー」
何処か晴れたような声を挙げる
でも浮かない樹里奈は春華に更につけ足して言う

「私は彼の事が好き、でもそれ以前に心配なの!」
「樹里奈・・」

それからも樹里奈はその言葉通り、授業中も休み時間も彼を見る度、優しい彼が居る
と言う安心感と同時にこないだの切ない涙を思い出して・・

彼はいつもと変わりなく爽やかな笑顔で皆と振る舞い
それがますます彼女の不安を煽り・・


それから下校時間
外は容赦ない梅雨模様、普傘を差して下校する人、親に車で送迎してもらう人と様々で
そんな中、一人雨に打たれ下校する男子生徒が居た
「しゅう・・」
彼に恋に堕ちたその日から、呼び捨てする事に、もはや違和感は感じず

カバンを雨よけ代わりに走る彼を見て樹里奈は

「何やってんのよっ!」
思わず怒鳴り、彼の元へ駆け寄り自分の傘の中に入れてあげた


「ありがとう、助かったよ」
一緒に下校する二人、何処か顔を曇らす
「・・どうしたのよ、自分の傘は?忘れた訳じゃ」
少々呆れた声で言うと
「傘は・・あったケド」
じゃーなんで差さないのよ!と彼の話を遮るも
「いやぁ、その日たまたま傘を忘れて困ってる人が居て」
「で?貸した訳ね、「いやぁ、いいよぉー俺は大丈夫」とか言って・・」

彼女の前会った時とは違い強気な態度に少々引くも
「まぁ、そのとうりサ、だって濡れたら可哀想ジャンこんな酷い冷たい雨なのに」
「なら、貴方は良いの?!こんな酷い雨に打たれても!」
眉を立て彼を睨み
「いいよ俺は、うちだってそんな遠くないし雨くらいどうって事無いし」
呆れに呆れため息がつき

そして樹里奈は彼を家まで送る為、この日会社が休みの父に携帯で車で送って行って欲しいと電話し近くの人気の無い大きな樹の下で雨宿りする事にし

「・・やっぱ良いよ、俺走ってかえ」
「駄目よっ!!濡れるでしょ!風邪引くでしょうがぁっ!」
彼女の怒号に驚き彼女の方を振り向くしゅう、走って帰ろうとする足が停止し
「な、なんだよそんなに怒んなくたって」
ハッと我に返る樹里奈、そして落ちついたトーンで彼に語る
「ごめん・・、でも雨ホントに酷いよいくらスポーツして鍛えられてるからって」
「蓮見サン」
「私はただ貴方に濡れて帰って欲しくないの、だからお願い!」
最後の方を強い口調で言う、だが後で自分が「これって告白なんじゃ?」と失言したと想い恐る恐る顔を上げるも

「ありがとう、心配してくれて」
優しい顔で彼女を見つめる

ザァァー
今だ雨は止まず遠くで傘を差し歩く人達、それに樹里奈が傘でいれてあげる前のしゅうの姿の様な人が無様に走っていたり
「雨、止まないね」
容赦なく降り続ける雨を見つめ何気無く言うと
「・・寒くない?、私カイロなんぞ持ってるけど使う?」
そう言い、使うとも言ってないのにカイロを取り出し
「平気、俺暑がりだし」

そう断るも体を震わす彼を見て眉を立て
「ちょっと、失礼!」
「うわぁ?!」
いきなり彼の制服をめくり彼の背中や首にカイロを張り出し
「・・勿体ないってこんな寒い日なら他にもっと使う人が」
「馬鹿ね今使わないで何時使うの?」

          「今でしょっ!」

思わず某流行語を言い放ち、彼に言い聞かせる
しゅうは結局、樹里奈に言われしぶしぶ使う事に
「・・悪いって、ホント・・」
と、独り言を呟き、ソレを聞き逃さなかった彼女は
「だからぁ・・、どうして自分を大事にしないのさ」
少々笑いながら語りかけると
「いやぁ、だってホントに」
「心配するじゃない、ソレは私ダケに限った訳じゃないし」
彼を心配する言動を幾つかする

そして、ゆっくりと彼の顔を見つめ、静かにその口を動かす
「貴方、苦しんでるんでしょ?」
えっ?とでも言わんばかりに振り向き
「何が?」
「何がって、貴方は」
「もぅー、何なのサ、さっきから・・俺は別になんともないよ、皆とってもいい人だし
別に問題も悩みも何もないよ」
と笑顔ではぐらかすも、眉に力がはいり
「そんな、嘘言わないで!」
「嘘言ってどうするのさ」

彼女の言葉の重みを理解しないでいるしゅう・・彼女は少し考えそして胸を軽く掴み

「・・だったら、だったらどうして昨夜は泣いてたの?」
その言葉に核心を付かれる様に目を見開き、黙り込む
樹里奈は彼の前に改まって立ち、固まった彼の両腕を強く握り

           「一人で抱え込まないでっ!」

重い空気ダケが流れ、ただただむなしく雨の音色ダケが響きもソコに
「おーいっ!樹里奈」
向こうから男性の声が彼女を呼び
「お父さん・・」
ようやく頼んだ送迎が来て、樹里奈は自分が乗るより先にしゅうを1秒でも早く
この寒い場所から開放させてあげたい一心で彼に乗るよう手招きし、万が一「俺やっぱ
走って帰る」とでも言ったら強引にでも連れ込む勢いであり、彼も無言で車に乗る事にした・・・。


貴方を、護りたい・・の最初へ 貴方を、護りたい・・ 4 貴方を、護りたい・・ 6 貴方を、護りたい・・の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前