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透明な滴の物語U
【同性愛♀ 官能小説】

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止んだ喧噪-2

「内視鏡室」
とある表示板に恐れを感じこぶしを握った。
先ほどのナースが引き戸を開け、気さくに声をかけた。
「お待たせしました。麻衣さん、中へ入ってね〜」
中に入ると、部屋はとても清潔そうだった。
しかし、オドロオドロシイ器具が壁際にたくさん備え付けられていた。
「大丈夫よ、麻衣さん。今回は、ああいうのは使わないから」
ナースは、器具を見て緊張で固まった麻衣を安心させようとする。
「今回使うのはこれ、浣腸〜!」
ざっくばらんな物言いのナースは、あまりデリカシーがなさそうな人に見えた。
手には長い管の付いたプラスチック容器が持たれている。
麻衣は恐れをなした。
「ちょっと、ちょっと待ってください!私、したことないんです!」
「あら、そうなの?」
ナースは意外そうな顔をした。
「なんでもないわよ、浣腸なんて。やってみるまでよね、怖いのは」
まるで、中年女性が処女に男性経験を説いているようである。
「さ、スカート脱いでそこへ寝て」
浣腸を持った手で処置ベッドを指示する。

麻衣はおずおずとスカートを脱ぐ。
タイツを穿いた黒い下半身が現れた。
「そろそろ、そういう季節よね〜」
感慨深げにナースがそう言った。
「S学園の生徒さんって、寒くなるとタイツ穿くじゃない?それを見ると冬も近いなあ〜って思うのよね」
麻衣は自分の下半身を見た。
たしかに、寒い季節になるとS学園の生徒は皆、黒のタイツを着用した。
ナースはこのタイツを見てそう思ったのだ。
「実は、タイツ穿いたのは今日が初なんです。ちょっと恥ずかしいな…」
秋も始まったばかりで、S学園ではまだ白のソックスを穿く生徒の方が多かった。
しかし、麻衣は身体が熱っぽいこともあり、今日は温かいタイツを選んだのだった。

麻衣は固い処置ベッドへ昇るようにして仰向けになった。
浣腸への恐れと腹部の不調から青白い顔をこわばらせ、タイツの黒い脚をぴったり閉じている。


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