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アネクメネ・オアシス
【ファンタジー 官能小説】

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キモチノモンダイ-4


 パルが何を考えているかが手に取るように分かったテオとランスは、顔を見合わせて苦笑するのだった。
 そんな会話をしつつもテオとパルは砂スライムを攻撃し、ノアの魔法が効きやすいように砂スライムを1ヶ所に集める。
 集められた砂スライムはぐにょぐにょと蠢いて合体していくので、それを更に斬ってひとつに固まらないようにする。

「テオドア、パルティオ嬢そろそろだよ」

 呪文の詠唱に集中出来るようにノアを背後に庇っていたランスがすっと横にずれた。
 王子様だからといってのんびり戦いを見ていただけではない。
 ちゃんと役割分担していたのだ。
 ちなみにリュディはバトルでは役立たずなので、羽馬と共に少し離れた場所に避難。

「氷 結 !」

 ノアの口から魔法発動の言葉が発せられ、同時にテオとパルが砂スライムの傍から飛び退いた。
 突き出したノアの両手の平から、キラキラと青白い光が煙を纏って噴き出す。
 その光は真っ直ぐに砂スライムを直撃して、ひとつの氷の塊を作り出した。

「おっしゃ!パル!思いっきり行けぇ!!」

「おっけぃ♪」

 バンッと背中から蝙蝠の羽を出したパルは、バサリと宙に浮かぶ。

「いっくよぉ〜」

 大分高い位置まで飛んだパルは、槍を真下に構え勢い良く降下した。

パキイィン

 砂漠に澄んだ音が響き、急激な温度差と強い衝撃により『核』まで粉々になった砂スライムがパルの頭に降り注ぐ。

「ぷはっ」

 地面に槍を突き立てたまま立ち上がったパルは、プルプルと頭を振って砂スライムの残骸を振り払った。
 赤い髪がふわりと舞い、キラキラと氷の粒が散る。
 それをテオは目を細めて眺める……こういう無邪気な仕草をするパルは、正直可愛いと思う。

「だーいじょうぶかぁ?ノア?」

 軽く頭を振ったテオは、サバイバルソードを鞘に収めてノアに振り向いた。

「はぁ……なんとか……」

 初級魔法なのに医療魔法以外だと魔力の消耗が激しい。
 まだまだ修行が足りない。

「はい……薬」

 リュディがノアの横にしゃがみ、魔力回復に効く薬湯を差し出した。

「あ……」

「ありがとうございます。リュディヴィーヌ嬢♪ノアの為にこのような素敵なものを準備して頂いて」

 薬湯を受け取ろうとしたノアを押し退けてランスが薬湯を受け取り、ついでにリュディの手を撫で撫でする。



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