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Purple woman
【二次創作 官能小説】

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Purple memory-3

―――ピッ・・・・・




会話を終え携帯電話をポケットに収めながら、
ジェクトと呼ばれた男は何気なく車窓の向こうの風景に目をやった。


車の右側にはやや西に傾いた太陽からの日差しを反射させる青々とした海が広がり、
ちぎれ雲がところどころに見える青空の下で日差しははさんさんとタクシーの中のジェクトにも照りつけてきていた。




―――――ジェクト。



かつてプリッツボールの伝説的選手として鳴らし、 一時期はコーチとしても辣腕を振るい、自らのチームを世界的にも強豪に育て上げた実績を持つ。

現在まで維持している、年齢を感じさせない鍛えられた筋肉と跳躍力はチーム屈指のものであった。




コーチ引退後は登山家・探検家として世界各地を回る一方、
第一線は離れたとはいえプリッツボールの民間人チームに籍を置き 時折昔とった杵柄で汗を流している。


そして先程ジェクトが電話していたのが、プリッツ現役時代の後輩ワッカ。
今ジェクトが到着したばかりのビサイド島に在住しており、ジェクト引退後の今日に至るまで現役選手である。


そして彼の妻にして1人息子イナミの母親になる女性の名前が、ルールー。



3ヶ月前ビサイド島から忽然と姿を消し、現在に至るまで消息の途絶えた島を代表する美女のことである―――――














(・・・・それにしても)



流れていく外の景色を眺めながら、ジェクトは今自分がこの島に足を運ぶまでになった経緯を思い返していた。


そもそもルールー失踪を知ったのは、ワッカ自身から電話を受けた2週間前のこと。

2年ぶりに聞く後輩の声は憔悴しきっており、
彼の告白からジェクトはビサイド島での連続女性失踪事件の存在を初めて知ったのだった。


ビサイド島では大事件でも、
世界各地を回るジェクトには目にも止まらないような地方紙上の“ありきたりな”事件だったからである。




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