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デリシャス・フィア
【その他 官能小説】

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 夜が更けて、街の明かりはうるさいくらいにぎらつき、昼間にため込んだ欲望をここぞとばかりに放出していた。

 そんな疎ましい景色も、カーテンを閉めてしまえばいくらか静かになる。

 部屋干しの下着類からは、柔軟剤のいい香りが漂ってくる。
 そのすぐそばで、くびれのある人影がうごめいている。

 粘つく音と、熱い息づかいとが、一人きりのベッドの上でさまよっているのだ。

 体中に蜂蜜を塗りたくられたみたいに、肌がどろどろとべたつく。
 それが余計に気持ちいい。

 露出も、調教も、飼育も、輪姦も、ぜんぶ体験したいと思っている。
 幻覚も見える。
 それらすべてが媚薬のせいだということも自覚していた。

 湯上がりの髪が背中を撫でまわすたびに、シャンプーの匂いが追ってくる。
 そういう官能のエッセンスがなければ、オーガズムだって浅いものになってしまうのだ。

 はやく、あたしに辿り着いて欲しい。
 どんなことをされたっていい。
 あたしを捕まえて、めちゃくちゃになるまでレイプして欲しい──。

 彼女は手足をぎゅっと折りたたみ、絶頂の瞬間にはベッドの上で仰け反った。

 びくん、びくん、びくん、と弱い痙攣に縛られたまま、白い肢体をまるめていく。


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