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嘘つきは恋の始まり 
【女性向け 官能小説】

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「あ。経管の野口さん。社食なんて珍しい」

同じ総務の小坂さんが入口を見つめていった。
ホントだ。珍しい。
会社自体の資金運営を中心としている経営管理部の人は
海外とのやり取りが多いため12時なんかにきっちりお昼が取れないらしく
社食で会うことなんかめったにない。
つーか・・・
私。この会社に入って社食で見かけるの2回目ぐらいだよ。

私は下手に関わり合いたくなくてそそくさといつもより早く社食をあとにした。
今日は7時に桐生さんと約束してる。
昼休みを返上しても定時で帰りたい。


桐生さんとそんな関係になってもう1年。
月に2回会うのがやっと。

セオリー通り「奥さんとは冷めてる」って言うけど
私もそこまでバカじゃない。
すでに子供が大きいから
今更奥さんが妊娠して「セックスしてないって言ったじゃない!」っていう
修羅場だけはなさそう。

桐生さんの人柄よりも先に仕事をする姿勢に惚れた。
なんて仕事のできる人なんだろうって思った。

それでも営業部の部長と総務部の私は接点なんかなくて
必死に接点を探し出しては
桐生さんにアプローチしたっけ・・・




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