メシアガレ-11
「ハァハァ……美味かった……だろ?」
パルを押し潰さないように横に倒れたテオは、意識を失う前に確認する。
「うん♪美味しかった♪ご馳走さま♪」
「ははっお粗末様でした……でも、勝負はオレの勝ちだからな」
「分かってるよぉ〜だ。朝勃ちはくわえませんっ」
「……ん……じゃ……後……よろし……く」
そこまで言って、テオは深い眠りに落ちてしまった。
「……ありがと……おやすみ、テオ」
パルはテオの頭を撫でて、おでこにそっと唇を落とす。
寝ている筈のテオだったが、キスを受けて嬉しそうに微笑むのだった。
「……テオちゃんって不思議……」
『ぴ?』
テントの中で薬草の調合をしていたリュディはポツリと呟く。
ピィは丸めていた身体を伸ばしてリュディに首を傾げてみせた。
「……魔物なのにね……」
リュディだってパルの事は大好きだ。
だが、魔物の中でパルは特別だと思う。
でもそれはリュディだから知っている事であり、テオには分からない事なのだ。
なのに初対面から精を食わせたり、美味しく食べてもらう為の努力をしたり……正直、頭がおかしいのではないかと疑う。
「……不思議……」
もう一度呟いたリュディは、調合を終えた薬草を小袋に入れてテントの外を覗いた。
砂丘の上でパルが翼を揺らしながら歌を歌っている。
2つの月が少し重なって見えて、まるでパルとテオの様だな……とリュディは思うのだった。
‥To be continued‥