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デネブの館
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デネブの館-6

「じゃあ、行ってらっしゃい。気をつけてね」
「――ああ」

 アイはすっかり平常モードに戻ってしまっていた。
 休日に帝国のマーチがかかるのは、俺にとって最悪な休日になったことを意味する。
 要するに、職場からの電話で、何かトラブルが発生したということに相違ないからだ。
 せっかく久しぶりだったのに――――
 俺は不機嫌極まりない面持ちで、部屋を出て職場に向かった。


 ただ、アイとの出会いも仕事上のトラブルがきっかけではあった。
 トラブルが嵩んで気が滅入った時期があったのだ。
 そんな時期に自宅近くのスーパーで買い物をしていると、エスカレーターの脇にいつもは見かけない怪しげな黒いベニヤの仕切り板が目に入った。
 表には『デネブの館』なる小さな看板がかかっており、マスコットらしいギョロ目の黒猫のイラストが添えられている。
 
 期間限定でスーパーの間借りをして占いをやっているのだろう。
 占いなどは全くの門外漢で、今までの人生の中で気にしたことは皆無と言っていい。
 しかし、今は妙に気になった。トラブル続きでうんざりしている気分でもあった。
 占い師はイラストからして女であろう。女と話でもして、気分転換するのも悪くない。
 一度くらいはこういうところを見てみたいという好奇心もあった。話の種にはなるだろう。
 見料千円。相場はよくわからないが、無茶な値段とは思わなかった。
 俺は、その『デネブの館』に入ってみることにした。


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