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母娘指南
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母娘指南-4

「恥ずかしいでしょうけど、誰でも初めての時はあるんだから、訊くけど、彼、硬くなる?」
「うん……」
「触った?」
「触ってないけど、見た……」
少しずつ訊き出すと、形状や角度から勃起は完全であるようだ。包茎についてはじっくり見ていないのでわからないというが、先端が赤かったというから剥けていると思われる。

「それで……」
行為の核心に迫っていく。早紀の顔が紅潮してきた。ベッドの場面を思い浮かべているのだろうか。

 唇を合わせ、乳首を吸われ、間もなく指が花園を訪れる。
(一応の手順を踏んでいるということね……)
 早紀は朦朧となってされるがままで、詳細な彼の愛撫はよく憶えていないらしい。特に脚を開かされて股間にのしかかられた時には頭がかっとなっている。
 アソコの辺りに圧迫を感じたと思った直後、彼の動きが止まって呻きが聞こえる。生温かい液が内股や布団に散って、燃え上がった想いが急速に冷めていく。
「避妊はしてないの?」
「用意してる……」
(あとから着けるつもりか……)
余裕がないのなら初めから着けた方が安全だが。……

「守さん、エリートだから」
鼻を膨らませて、まだ息の整わない早紀に言った。
 一流の国立大を出て入社した彼。子供の頃から勉強一筋だったのだろう。だから女性との経験もなくここまできた。純情で清潔な男性だと思えば気持ちも楽になる。
 そんなつもりで言ったのだが、早紀の表情は思いつめたこわばりが消えない。結ばれない歯がゆさ、女の哀しさ、それはたしかに別問題にちがいない。

「すぐに、してみたらどうかしら」
愛撫をすることで昂奮しすぎてしまうのなら、間を置かず、すぐに挿入して、とにかく合体を優先する。その事実、経験がさらなるステップとなる気もする。
「守さんもそう思ったみたい。……でも……」
よけいに緊張したのか、コンドームを装着している最中に暴発してしまったことがあるという。
「わかったの?」
「うん……」
「そう……」
(きつくて入らないと言ったのは言い訳だったのだろう)
 早紀の膣が極度に狭まることは確かにある。だがそれは初体験を迎える反射的なものだ。男が上手に誘導すれば乗り越えられるはずである。

「守さん、過敏なのね、きっと」
「過敏?」
「うん……感じすぎちゃうんだと思う」
「早漏とはちがうの?」
(なんだ、知ってた……)
「あたしもよくは知らないけど、たぶんそうじゃないかな。早紀はどうしてそう思ったの?」
「医学事典見てみたの。……どうしたらいいの?」
「どうしたらって、鍛えれば強くなるんじゃないかしら」
「どうやって?」
突っ込まれても佳代も困る。
「難しい問題だから、すぐには思いつかないけど……。それと、早紀も余計な力が入るのかも……」
「自分ではわからないんだけど……」
気づまりになって二人とも黙ってしまった。
あらわのままの早紀の花園は蜜液に満ちている。心配事を話しているのに湧き続けている。
「早紀、こんなにいっぱいよ」
指ですくって見せた。
「きっとうまくいくようになるわ」
起き上がった早紀はちょっと笑みをみせて頷いた。


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