投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Betula grossa〜出逢い〜
【ラブコメ 官能小説】

Betula grossa〜出逢い〜の最初へ Betula grossa〜出逢い〜 5 Betula grossa〜出逢い〜 7 Betula grossa〜出逢い〜の最後へ

Betula grossa〜出逢い〜-6

廊下で笑美ちゃんを待っていると、教室の中から笑美ちゃんが掃除を押し付けられそうになっている声が聞こえてきた。
「笑美?まだ?」
廊下側の開けられた窓から視線が俺に集中した。そして、その視線は笑美ちゃんへ、笑美ちゃんは困った顔をして
「ゴメンね....先輩を待たせているから....」
そう言って逃げるように教室を出て来た。
「何やってんの?遅いぞ!」
「ゴメンナサイ....」
「まぁいいや!行こう!」
俺は笑美ちゃんの手を掴んでその場を離れた。見ると笑美ちゃんはさっきまでの笑顔を取り戻していた。
笑美ちゃんを家まで送った後、俺は急いで学校に戻った。教室では補習がまだ続いていて、俺が教室に入ると担任は
「お前達は自習してろ!」
そうクラスのみんなに言って俺と相談室に向かった。
「で..どうだった?」
相談室に入るなり担任が口を開いた。
「彼女は1年5組の三崎笑美さんです。」
「そうか....ちょっと待っててくれ!」
担任はそう言い残すと相談室を出て行った。
担任は星野先生と一緒に相談室に入って来た。星野先生は俺が所属していた部活の顧問で、笑美ちゃんのクラス担任だった。
俺が知っている事を話すと
「すみません....俺のミスです....気にはなっていたのですが....」
「今、そんな事言ってる場合ではない!これからどうするかだ!」
担任の言葉に星野先生は頷いた。
「それじゃ俺はこれで....」
相談室を出ようとすると
「葛城!ありがとう!それから....」
星野先生に声をかけられた。
「わかってます!三崎さんにはいつでも一緒に帰るから遠慮しないで来て!と伝えてあります!」
「そうか....ありがとう....」
「いえ....」
「それから....」
「なんですか?星野先生!」
「あまりやり過ぎるなよ!問題を起こせば推薦もなくなるかもしれないぞ!」
「わかってますよ!でもそれはあいつらに聞いて下さい!」
俺は相談室を出て笑美ちゃんの教室を覗いた。昨日の4人が喋っているのが見えた。俺は二人の少年の首に手を回した。
「話があるんだけどいいか?」
俺は両手で抱えるように二人を連れ出した。
「話って何だよ!俺達に何かしたら推薦の話がなくなるんじゃないか?」
それは少年の精一杯の強がりだった。
「お前達勘違いしてないか?推薦がなくなっても続けていく場所はどこにでもあるんだぜ!それに自分の彼女があんな事をされて黙っていられると思っているのか?」
少年達の顔色が変わって行くのがわかった。
「出せ!」
「な..何をですか?」
「撮っていたんだろ!」
「撮ってません!」
俺は二人を睨んだ。
「本当に撮ってません!信じて下さい!」
「わかった!信じてやるよ!でもお前達の言葉が嘘だとわかったらどうなるかわかっているな?」
「....どうなるんですか?」
「教えて欲しいか?」
「い..いえ結構です....」
俺が抱えていた手を離すと二人は腰が抜けたように座り込んだ。
「わかっていると思うが今後笑美に何かあったら全てお前達に責任を取ってもらうからな!」
「そんな.....」
「簡単な事さ!お前達で笑美の事を守ればいい!わかったな!」
「ハイ!」
「じゃあ頼んだぞ!」
俺は二人を残してその場を離れた。




Betula grossa〜出逢い〜の最初へ Betula grossa〜出逢い〜 5 Betula grossa〜出逢い〜 7 Betula grossa〜出逢い〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前