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ゆえとナオさん part2
【同性愛♀ 官能小説】

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第4話-2

二日目は山の稜線を歩きます。素晴らしいながめです。
「ここは気持ちがいいですねぇ。胸がすくようですね」
「前に来たときは風が強くって、鼻水が飛んでったよ、あはは」
「ああっ、そんな女子力低下なことを」

小さな避難小屋があって、ここの屋根にもオウムがいます。
「シッシッ…捕まえちゃうぞ…」

長い下りを歩くと山小屋に着きます。今夜の宿です。
「なんだかコバエの多いところですねぇ。あっちいけ」
「あっ!それ小さいけど噛まれるとすごいかゆいよ!水のそばに多いんだ。
気をつけて、二日も三日もかゆいんだから。
ミントスプレーで虫除けしな。ほら、美さきも」

夜はやっぱりトークタイムです。ナオさんにくっついて、年上の人たちに混じります。
ときどきナオさんに通訳してもらいながら、話を聞きます。
「みんな色んな国から来ているんですねぇ」
「そうだね、ドイツ、スイス、フランス、韓国、イスラエル。
みんな色んなところから来てる。
徴兵前に旅行に来ている人も多いね」
「徴兵って、戦争の訓練があるんですか?」
「そうよ、日本の隣の韓国や北朝鮮だってあるんだから」
「日本だけにいたらわかりませんね」
「そうだね。それとNZ人の若い人がいないのに気が付いた?」
「えっ?そうなんですか?」
「オーストラリアに出稼ぎに行っちゃうんだって。あとはやっぱり都市部に行くみたい」
「ちょっとフクザツな気持ちです…」
「それでいいんだよ。世界はフクザツなんだよ」

ナオさんは日本にいるときより、のびのびとしていて、
お母さんが言っていたように、いずれ世界に出て行く人なんだな、と思いました。

ロウソクの明かりの中、夜はふけていきます。



三日目は谷沿いに、森のなかを歩きます。
「あっ、鳥ちゃんが道案内してくれてる。カワイイ〜」
「あし…ほそいぞ…」
「それにしても、ナオさんはこのコースを一日で走るんですよねぇ?」
「そうよ」
「そうよ…って、60キロの山道ですよ?荷物は少ないけれど大変だぁ」
「ま、練習はしてきてるから。三日かけてコースの下見もしてるわけだしね。
ここは若干の下りが長く続くから、スピード勝負だなぁ。
結構、暑そうだなぁ。水を切らさないようにしないと」

何かが、前を歩く美さきちゃんに向かって飛んでいきます。
「みさきちゃ!ハチっ!」
言うが早いか、ナオさんがシュッと私の前に出て、
空手チョップをします。
(ピッ!)
大きなハチは、二つになって落ちました。
「んあ?…おおっ!?…」
二つになっても動いている蜂を見て、みさきちゃんも驚きます。
ナオさんの指先から、投げナイフの先っぽが見えます。
「大きかったねぇ。刺すかどうか解らなかったけど、刺されてからじゃ遅いからね。
蜂には悪いけど。」
「ナオさん…すげえ…」
美さきちゃんは尊敬の眼差しです。

「相変わらずの早業でしたね。投げるだけじゃないんですね」
「手裏剣は、手の裏の剣。打つだけが使い方じゃないよ。
スッポ抜けないようにナーリング加工がしてあるよ」
「なーりんぐ?…」
「ローレット、滑り止めね。ね、ゆえ、役にたったでしょう?」
「Ya,exactly」

三日かけてぐるりとコースを一周して、再びスタート地点に戻りました。
バスに乗って町に戻ります。
「さぁ、熱いシャワーと、ご飯にしよう!」


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