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淫靡眼
【その他 官能小説】

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その(五)-4

「強いのね。篠原くん。彼女いるんでしょ?」
「いえ……」
「うそ」
美穂は跨ると腰を落とし、陰口にあてると沈んでいった。
「あう!いい!」
乳房を突き出し、反った弾みで結合部が捻られ、なおも腰を回し、私の胸に手をつくと、
「ああ、可愛い子……」
ゆっくりと前後に動き出した。

 ペニスが膣内をくぐり、戻り、温かさとともにぬめりの中で擦れる感触がはっきりわかる。
 動く美穂の体勢が徐々に前のめりになって呼吸の乱れも激しくなった。
「可愛いわ……可愛くて逞しい」
うっとりとしたその顔は自分の世界で自分の道を辿っていた。
「あっ、動かないで、じっとしててね、可愛い子……。もうちょっと……」
美穂が頂上に近づいていた。

(くそ……)
私の中にふいに起こったのは闘争心にも似た感情であった。
(俺は玩具ではない!)
舞子と愛し合いながら男になっていった自分の体にまったく別の方向から火がついた。『可愛い』と言った美穂の言葉に気持ちが逆立った。
(俺は男だ、舞子が男にしてくれたんだ)
不信の中に沈んでいた舞子が浮き上がってきた。一方的に自分の体が貪られることが耐えられなくなった。

 私は美穂を強引に抱え込むと腰を突き上げて猛然とピストンを開始した。
「ヒッ!ヒッ!」
パンパンと叩きつけ、突き刺し、貫いた。
「いやあ!だめ!こういうのだめ!」
もがく美穂をがっしり抱え、容赦なく打ちつける。
「やめて、おねがい、おかしくなっちゃう!」
(おかしくなるってどうなるんだ)
もう摩擦の感触を味わう状況ではなくなった。破砕機のごとくペニスは膣を抉った。
(これでもか!)
「ひい!何なのあんた!」
悲鳴を最後に美穂の声は途絶えた。体の抵抗はほとんどなく、突き入れる度に動きに合わせるように反応するだけである。

「ぐう……」
やがて美穂は低く唸ってぐったりとなり、ずしりと体重がかかってきた。
(イッタ?)ような気配ではない。息遣いは激しいが体は動かない。
 美穂は失神していた。反転させて仰向けに転がっても完全に力が抜けて、意味不明の言葉が苦しそうに喉に絡んでいた。
 膝を立てて股を開いてもまるで死んだカエルのようにされるがままである。割れ目は大きく口を開けて、黒光りした陰唇は芋虫が張り付いているみたいだ。

 私はペニスを押し込んでのしかかった。
(舞子!)
組敷いた美穂のことはどうでもよかった。その時頭を占めていたのは私に微笑む舞子であった。
 真夏の彼女の部屋。初めて目にした妖しい神秘の花園。熱い息遣いが甦って、あの『ニオイ』が襲ってきた。
「ああ……」
一気に射精した。
(舞姉ちゃん……)
快感の余韻とともに強い追慕が波のように押し寄せてきて、私は美穂の体を抱きしめていた。

 私はその後三度放出した。脱力してまどろみかけても美穂の裸体に舞子を重ねるとむくむくと気持ちが漲って割れ目に埋め込んだ。二度目に挿入している最中に美穂が目覚めたのを見てふたたび激しい感情が沸き上がって自制を失った。
「もう、許して……」
激しい抜き差しはセックスではなく、私の感情は破壊であった。私を弄ぶことは舞子を冒瀆したのである。怒りと同じであった。美穂は間もなく意識を失って眠りに就いた。

 その日以来、栗田は私を避けるようになった。理由はわからない。彼の助言を無視して『攻撃』してしまったからなのか。
 何度か声をかけた後、栗田は振り向いてひと言言った。
「君は相当なやつだな……」
それきり口を利かなくなった。そして一か月ほどして学校に来なくなった。
「退学したんじゃないか?」
誰一人関心を寄せる者はいなかった。しばらくしてあのアパートに行ってみると更地になっていた。



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