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透明な滴の物語
【同性愛♀ 官能小説】

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薄暗い部屋の中で-2

「…分かりました。します。それ、私にください。持って帰ります」
聡美はついに浣腸をする決心をした。
しかし、佐和子は箱を渡さなかった。
体調を崩している聡美のためにこうして親身になっているのに、素直にならない聡美の態度が少し気に障りはじめていたところでもあった。
佐和子は箱のふたを開けると、ガサガサとポリエチレンの袋に入ったピンクの容器を取り出した。
「さあ、してあげるから下を脱いで」
そう言われた聡美は予想していなかった驚きで目を見開いた。
先生が直接私に浣腸治療を施そうとしている。
今、ここで。
佐和子は、動揺が見て取れる聡美をたしなめるように言った。
「聡美さんのその態度じゃ、これを持って帰ったところで使わないと思うの。こんなの使うの嫌だわって、結局使わないでどこかにしまっちゃっては意味ないのよ」
聡美は動揺して裏返った声で反論した。
「そんなことないです!ちゃんと使います。お願いですから、私にください。後でちゃんと使いますから」
佐和子は許すつもりはなかった。
「ダメです。ここでするの。そうじゃないと出ませんよ」
聡美は、自分がもはや浣腸で排便するしかないことを頭では理解していた。
だからこそ、何とかして佐和子が手にしている浣腸を手に入れこの部屋を出て行く必要があった。
「いやです!いやです!なんで持って帰っちゃダメなんですか?」
佐和子は、聞き分けのない子どものようになっている聡美にとどめを刺した。
「じゃあ、なんで『浣腸』って言えないの!?」
的を射ぬかれたように聡美は急に大人しくなった。
佐和子の顔を窺うように見ると、しおらしい声で答えた。
「だって、…浣腸、恥ずかしいもん」
大人びて見える聡美だが、こうなってしまえば、やはり大学を卒業したばかりの若い女の子に過ぎなかった。
「お手洗いはすぐそこにあるから大丈夫よ。さ、皆に分からないうちに、やっちゃいましょうね」
もう一度佐和子から下を脱ぐように促されると、聡美は観念してベッドから立ち上がった。

聡美がスラックスのホックを外す瞬間、パチンと解き放たれたような音がした。
細いウエストだったが、細いなりにお腹の張りに苦しんでいたようだ。
パンプスを脱ぐカタリという音がし、スラックスからベージュのストッキングに包まれた長い脚が抜かれた。
「先生、これでいいですか」
もはや聡美は先生の言いつけに従う従順な生徒、いや患者となっていた。
「じゃあ、ここで横になって、向こう向きに寝てね」
佐和子の言いつけどおりに、しかしゆっくりとベッドの上で横向きになり、佐和子の方にお尻を差し出した。
その動作は何となく聡美にとって初めての経験ではないような感じがした。
「聡美さんは浣腸されたこと、ある?」
佐和子は聡美の腰にかかるストッキングのゴムに手を掛けながら訊いてみた。
聡美は一瞬躊躇したが、まな板の鯉である自分の状況を思い出し正直に答えた。
「はい。1度だけあります。お母さんから。たしか、中1の時に」
聡美は、今は亡き母から受けた浣腸のことを思い出した。



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