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催眠の保健室
【学園物 官能小説】

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モテる女はつらいね。-1

朝、裕人に一通のメールが届いた。
”これより一週間は保健室への入室禁止。”
由美からのメールである。

突然の知らせだった。裕人には由美を怒らせた心当たりが全く無く
なぜこんなメールが送られてきたのかが見当が付かなかった。
裕人は、すぐさま返信をした。
”了解です。ただ、理由が知りたいです。
 何か怒らせるような事をしました?”
裕人はメールを送った後、しばらく考えていると、由美からの返信
が来た。
”来週からテスト期間でしょ?勉強に集中しなさい。ヒロ君は今回、
 学年でトップを取りなさい!命令だよー”
という内容だった。
裕人は内容を見て、安心した反面、トップは厳しいなぁと思った。

クラスではいつも3位以内には入っていたが、学年で見ると10位
くらいのアベレージだった。成績優秀な裕人とは言え、なかなかの
つらい命令だった。


裕人は藍がケイタイでメールを打っているのが目に入った。

「藍、もしかして西園寺先生から?」
裕人が藍に寄って行き、小さな声で話しかけた。
「あっ...うん。そうだけど...」
少し動揺しながら答えた。
「テストの事?」
「う、うん...御子柴君...そのー...教室で私たちが話して
 ると...そのー...周りの人に...」
藍は周りをキョロキョロして少し顔を赤くした。
「まぁー、そうかもしれないけど避けてる方が怪しいじゃん」
裕人が笑顔で言った。
そんな裕人の態度に藍は、恥ずかしさと嬉しさを感じた。
「御子柴君も放課後呼ばれた?」
藍も小声で会話を続けた。
「あれっ?俺は保健室出入り禁止だってさ。テスト勉強に集中しなさい
 だって!藍は違うの?」
「私は言われてない。御子柴君と違って成績悪いし、いつもテスト勉強
 しないから...その辺は先生お見通しだと思う。」

裕人は今まで保健室での出来事を誰にも言わずに我慢してきた。初めて
他人と共感できた瞬間だった。
お互いの距離が一気に縮んだ気がした。


−放課後−

藍は裕人と同様に保健室の鍵を渡されていた。4回ノックをした後、その
鍵を使い、保健室へと入った。
「いらっしゃーい。藍さん、座って。」
由美がいつも通りの笑顔で出迎えてくれた。
藍はそんな由美の表情を見て、以前のような怖いという印象は感じなかった。

「ヒロ君を勉強に専念させたから、あたしが退屈になっちゃって...
 藍さんもテスト勉強したかった?」
由美が藍に微笑みかけながら話した。
「いいえ。わたしはいつもしないし...頭悪いので...」
藍は苦笑いしていた。
「ふふ。次からはテストも頑張ってもらうからねー」
由美の台詞を聞いて、藍はまた苦笑いをした。

「話全然変わるけど、藍さん結構モテるみたいだね。ヒロ君が言ってたよ」
「えっ?そんな事無いです...」
由美は机の引き出しからクラス名簿のようなものを取り出し、それに目を
向けた。
「ヒロ君の情報だと...5人くらいだよ。藍さんを好きな人。
 ヒロ君の口調だともっと多いかも。」
藍は由美と目が合うと、とっさに首を横に振った。
「今日は藍さんの事が好きな人呼んでるから。」
「えっ!!だ、だれですか!!」
藍はあきらかな動揺をみせた。
「同じクラスの孝太くんって子ね!」

小川康太。背が高い爽やか系。裕人ほどではないがイケメンの部類である。
バスケ部に所属しており、スポーツ万能なため女子からの評価も高い。

「先生っ!そんな事言われたら、意識してしまいます...」
「あら、相変わらず可愛いわねぇー。」
由美は笑いながら藍をからかった。
「大丈夫よ。ちゃーんと下準備はしてあるからっ」
藍は”下準備”という言葉が気になったが、すぐに気付いた。由美とは
仲良くなりつつある関係だったが、また少し怖くなった。

コンコン

ドアをノックする音が保健室に響いた。
それと同時に藍の心臓がギュっと締め付けられた。

「はぁーい」
由美が素早く鍵を開け、生徒を中へ引き連れた。
その男子を藍は目が合うと黙って一礼した。
「あれっ?藍ちゃん、何してるの?」
「えっ...ちょっと...」
藍は完全に動揺し、言葉が詰まっている。

「康太くん!藍さんの隣に座って。」
由美は優しい口調で康太を案内した。康太が椅子に座ったと同時に
由美は指を鳴らした。

パチンっ

「藍さん、動揺し過ぎだよっ。あはははっ。ホント面白い!」
由美は藍の態度を見て、楽しそうにからかっていたが、藍はそんな事
より康太が催眠状態に堕ちている事の方に意識が向いていた。
「藍さん、初めて見たわけでもないのに...そんなに気になる?」
「あっ..康太くんはもう催眠に掛かっているんですかぁ?」
藍は康太の顔を覗き込んでいる。康太に反応は無かった。

「好きな事していいよ」
「えっ...別に...」
由美の言葉に藍が戸惑っている。
「んふふっ。ヒロ君のは大胆にシゴいちゃうくせにー」
由美がニヤニヤしながら言った。
「先生っ!!!私そんな事っ!!!」
藍は顔を真っ赤にして声を張り上げた。
「あはははっ。やっぱり面白いなぁー。」
「先生、からかうのはやめてください...」

由美は声を低くして、康太へ囁き始めた。
「康太君。あなたは意識が戻っても催眠に掛かったままです。
 あたしの命令に従いなさい。あたしの言いなりです。
 藍さんの手は魔法の手です。触れられるとあなたは敏感に反応して
 しまいます。
 では、あたしが指を鳴らすと意識が戻ります。」


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