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『桃子記念日』
【痴漢/痴女 官能小説】

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『桃子記念日』-25


「桃子」
「おにいちゃん……ん……」
 宗佑の手が、桃子の体を引き寄せて、二人の顔が寄り合って、唇が触れ合った。ウェディング・ドレスを前にして、二人は熱い口づけで、互いの想いを絡み合わせていた。
「ん……ん……ふ…は……」
 その唇が解けたとき、桃子は、これまで感じたことのない幸福感に包まれて、蕩けた表情をしている。
「ん……ぅ……」
 すぐにまた、宗佑の唇によって呼吸を奪われ、桃子は完全に、桃源郷の住人となっていた。
「おにいちゃん……」
「ふふ、“おにいちゃん”じゃなくなるのは、いつになるかな?」
「だって……」
 身寄りを失くした桃子が、宗佑に引き取られて、一緒に暮らし始めて、体を重ねる関係になっても、10年間ずっとそう呼び続けてきたのだ。
 “ごっこあそび”の時には、そうでない呼び方をすることもあったが、それはあくまで一瞬の中での遊戯めいたものだったから、本当に“おにいちゃんのおよめさん”になる今となっては、どう相手を呼んでいいのか、桃子には思いつかない。
 だから、どうしても、
「おにいちゃん」
 に、なってしまう。
「焦らないでいいさ。それに、子供が出来れば、自然に“パパ”って呼ぶようになるかもしれないからな」
 “おとうさん”でも、いいのかな、と、宗佑は早くも、桃子との将来に思いを馳せ、空想をめぐらせている様子であった。
「おにいちゃんは、赤ちゃん、欲しいの……?」
「ああ。桃子に、すぐにでも、俺の子供を生んで欲しいって、思っている」
「う、うふふ、そうなんだ……」
 こうまではっきりと、今後のことに触れてきたのは、初めてだった。
『桃子が大学を卒業するまで、二人の関係は秘密』
 という、そのくびきがなくなったからであろう。宗佑は、タクシーの運転手には“夫婦”だと言っていたし、“シークレット・ガーデン”の館長である大崎望に対しても、“婚約者”だとはっきり伝えていた。
(由美と詠子が、これを知ったら、なんて言うかな……?)
 親友二人の恋を応援し、それが実るまでの経緯に関わった桃子である。一方で、自分自身にも既に春が来ていた事を伝えたら、二人がどんな顔をするか、今から楽しみになってきた。
(多分、あたしが、“一番乗り”かもね)
 そんな気配を億尾にも出さなかった桃子が、三人の中でいち早く“人妻”になるとなれば、二人に限らず同窓生たちの間でも、ちょっとした騒動が起こるかもしれない。
「桃子、どうした、変な顔をして」
 知らず、顔がにやけていたらしい。
「ちょっと、想像してたの。おにいちゃんと、どんな新婚生活になるのかなぁって」
「そうだな……」
 やにわ、宗佑が桃子の手を掴む。
「わっ、お、おにいちゃん!?」
 するとそのまま、盛り上がっていた腰の間にそれを押し添えて、触らせていた。
「ぼ、ぼっき、してるよ、おにいちゃん……」
「困ったことにな」
 口ほどにはそう見えない宗佑。桃子にその部位を触らせたということは、これをどうにかして欲しいと、暗に言っているものである。
「お、奥さんの、役目だよね」
 桃子は、盛り上がった部分を解放するため、ジーンズのジッパーに指をかけると、それをゆっくりと下ろした。そして、開いた股の間から顔を覗かせたブリーフの分け目に指を添えると、それを開いて、内に隆々と潜んでいる宗佑の“業茎”を、空気に晒した。
「う、わっ……!」
 まるでバネ仕掛けが仕込まれていたかのように、宗佑の赤黒い“業茎”が、桃子の眼下に姿を表した。
「おにいちゃんの、すごくなってる……」
「桃子の新妻姿を想像したらな、こうなった」
「おにいちゃん、スケベだよぉ……」
 言いながら、桃子の瞳に妖しい光が宿り始めていた。


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