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『桃子記念日』
【痴漢/痴女 官能小説】

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『桃子記念日』-14

「変態」
「あうぅ、ご、ごめんなさい……」
 “ノーパン”だという桃子のことを“変態”呼ばわりしながら、そんな姿の桃子に興奮している宗佑もまた、間違いなく“変態”であった。もっとも、人間の持つ“変態性”は千差万別であり、当然のように着用している衣服の下が、実は真っ裸だという状況に興奮するというのは、その“秘匿性”に惹かれる性質が、二人にはあるということだ。
 桃子と宗佑の関係は、桃子が大学に入ってからも、周囲に知られることを憚るように、全く公にしていなかった。そもそも、桃子が宗佑にその身の全てを許したのは、中学生の頃であり、それが周囲に発覚すれば、宗佑は法律的にも唯では済まなかった。
 二人とも身寄りがない、ということが逆に幸いして、桃子が“淫行”の対象から外れるまで、周辺には“仲の良いきょうだい”という印象しか抱かれてこなかった。しかし、念を入れて、桃子が大学生になっても、二人は頑なに、その関係を周囲に明かそうとはせずにこれまで過ごしてきた。
『桃子が大学を卒業するまで、俺たちのことは秘密だ。できるな、桃子』
『うん。おにいちゃんのいいつけ、桃子、ちゃんと守るから』
 その“秘匿性”が、二人の性の炎を熱く燃やしている。
「桃子はいやらしいし、変態だ。でも、いけない子じゃない」
「んっ、あっ、せ、せんせぇ……」
「桃子が変態で、俺はとても、嬉しくて仕方ないんだからな」

 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅっ…!

「ひッ、ア、あぁっ、ン、あっ、アソコ、あっ、あぁああぁあぁぁぅっっ!」
 クロッチ部分に深く指が埋まり、それが勢いよくかき回される。布地の色が完全に変わるぐらい、その部分は濡れてしまっており、独特の淫らな水音を部屋の中に響かせた。
「あ、ああぁあ、あ、あ……」
 桃子の喉が、重い音を鳴らした。何かに抗ってる証である。
「桃子、また飛ぶのか?」
 性的な高みを、桃子は踏破しようとしているのだ。それを指して、“飛ぶ”という言葉を、桃子も宗佑もよく使っている。
「パンツを穿いていないブルマーのクロッチを、ぐちゅぐちゅにしている、いやらしくて変態の桃子は、俺の指だけで飛んでしまいそうなんだな」
「い、いやっ、そ、そんなふうに、いわないでっ、あ、んふぅっ……!」
 耳の裏に、言葉と吐息の責めを浴びる。
「変態のことを、変態といって、なにがいけないんだ?」
「せんせいのばかぁっ……あ、あっ、やっ、だめっ、あっ、も、もうだめっ……!」
 もう一度、耳に辱めを受けた刹那、桃子の身体が、激しい震えを起こした。
「あ、あぅっ、あっ、と、とんじゃうっ、あっ、やっ、ああぁああぁあぁぁぁぁぁっっ!!」
 びくびくびく、と、三度の痙攣にその全身が揺れる。溢れる蜜はとめどなく、ブルマーのクロッチ部を更に濡らして、失禁の痕にも見える様態を晒していた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 二度目のエクスタシーを迎え、再び身体の力が抜けて、桃子はぐったりとしてしまう。
「せんせぇ、ももこ、また、とんじゃった……」
「ああ」
「ももこ、へんたいなの……パンツはいてないブルマーのうえから、あそこいじられて……それで、とんじゃう、へんたいなの……」
「そうだな。でも、そんな桃子だから、俺は好きなんだぞ」
「え、えへへ……うれしい……ももこ、へんたいなのに……せんせぇ、すきって、いってくれて……」
 果てを見た高ぶりに陶然として、自らを“変態”だと辱めながら、潤んでいる桃子の瞳は、蛾の燐粉のように、妖しい輝きを発し続けていた。


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