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輪切りの才能
【SF 官能小説】

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諦めの代償-2

「よかったOKなんだ、それじゃ初めて僕の部屋に着たんだよ、挨拶するべきだと思うよ」
目がキョロキョロと動き、「お、おじゃまします」とカワイイ声で言った。
「違うよ、”お世話になります”でしょ」と教えると、
持っている顔が崩れてきて目に涙が溜まってきた。
「泣くのはもういいよ、言えないの?」僕は灰原の頭を振って聞いた。
「ぁぁはい、言います。 言いますから振らないで下さい」
「あ、ゴメンよ、じゃぁ言って」
灰原は眉根を寄せて少し息をすうと、「お世話になります」と答えた。
「それから?」
「それからって?」
「それから続けてくれよ」
「そんな……お世話になります……えっと、あの〜 これからもよろしくお願いします。」
灰原は首が動かせないから目だけ挨拶する
「違う、違うよ、もっと僕にお願いする事があるでしょ」
「ええ、わからない……どうしよう……先日はご気分を害されるような発言しまして、申し訳ありません」
「違うよもう、”これからは、”でしょ」
「こ、これからは……」
「”ぼくの言うことを”」
「…………せ、先輩の言うことを」
「ああ、ちゃんと名前で言ってくれよ」
目がくりくり動いて「…………つかはら先輩の事を」
「なんでも聞きます、身も心も好きなだけ堪能して下さい。」
「……………………」塚原の目が高速に震えている。
「どうしたの?」
「あ、ああ……」頭にかいた汗が冷たい。
「ただの挨拶だよ、気にしないで言ってよ」
「あぁぁ、あの、言うことを聞いていれば家に帰していただけますか」目に涙が溜まっている。

「そうだ、この家のルールがあるから教えるよ、”帰りたい”ような事は言わないでね、ブルーな気持ちになるから」
「……え、で、でも今知りたいんです。」目の涙がポロリと落ちるけど、目に力を入れて泣かない様に頑張ってる。
「気分が下がってきたけど、教えてあげるよ、必ず帰す」
「ほ、ほんとうですか!」嬉しそうな顔が可愛い。
「二度は言わないし、もう二度と聞かないでくれ、」
「……あ、あと一つ、いつ……」
「調子にのらないでほしいな、これは帰した時に誰にも言わないようにする為に言わせてるんだから」
「はい、絶対に言いません。」
「それでは、最後に僕の事を心から好きだといってからキスしてよ」
「……はい、わかりました……」
「じゃあ ビデオ回すよ」
「ビデオに撮るんですか!」
「当然だろ、記録するんだから、はいはじめ」横にあるビデオの録画ボタンを押すと、カメラに赤い点の光が点いた。

灰原は眉根を寄せて悩んでいるので、僕は持ってる手の人差し指で頭を小突いた。
「……はい、お世話になります、これからは、つかはら先輩の言うことをなんでも聞きます、私を好きな様にして下さい。」
口が半開きのまま止まっているので、また指で小突いた。
「……私は、つかはら先輩が大好きです。キ、キスして下さい。」顔が真っ赤になる。
頭を引き寄せて口づけした。

すぐに舌を伸ばして彼女の口の中に侵入すると、彼女の舌が出てきた。
柔らかく小さいその舌は彼女の意思で激しく動く。
これが本物のディープキスなのか、舌はお互いを欲するように絡みあう、本当の恋人のようだと僕は感動した。
いくらしても飽きないディープキスは時間を忘れて延々に彼女の舌を堪能する。

僕は手が疲れてきたので体育座りして膝に灰原の頭を乗せて続ける。
目を開けると超ズームで彼女の閉じている目が見えた。
僕は口を離し「目は閉じないで、僕を見つめてくれよ」と言うと綺麗な瞳が開いて僕を見つめた。
「ちょっと休ませてもらえませんか」彼女が言うが気にせずに口を重ねた。
お互い見つめ合いながらするキスは更に格別だ、人生一番幸せな時間だと思う。
彼女が目を閉じると頭を叩いて教えてあげた、永遠に続くディープキスが、やめられない。

とうとう灰原は口をつけたまま喋りだした「もう、ダメです、口が痛くなってきました、休ませて下さい」
もごもごと話しているので顔を離すと、口から顎や耳にまで涎がたれて光っている。
「もう、口が痛いです。少し休ませて下さい。」
「違うだろ、キスした後は愛してるだろ?」
「……あいしてます」
「僕もだよ」灰原の首をソファーに戻し涎を拭いてあげる。


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