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憲銀の恋
【純愛 恋愛小説】

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悲しい告白-2

「自分を責めちゃいけない、悪いのは君の妹の心をもてあそんだ銀行員の男だ」

「もてあそぶ?」

「ああ、気持ちも無いのに人の心を惑わす事を日本じゃそう言うんだ。絶対にやっちゃいけないことをその男は憲銀の妹にしてしまったんだ。憲銀がアルバイトに行ってしまったから君の妹が自殺したんじゃない。そんな苦しみを与えてしまった奴が一番悪いんだ」

「トーミン、ほんとにそうおもうか?」

「ああ、同じ日本人として恥ずかしいし、腹が立つ」

 憲銀はやっと泣き止んだ。そして自分の頭を私の肩にそっと寄せてきた

「学校の帰り、毎日センターに行たけどトーミン居なかた。寂しかたよ」

 それが私に対する憲銀の恋心と思うほど若くは無い。張り裂けるような心細さの中で出合った私に救いを求めていただけなのだ。自分にそう言い聞かせようとしたが私自身も自己破産の日から襲われ続けた耐え難い孤独感から逃れようともがいていた。肩から伝わる憲銀のぬくもりが私を突き動かした。憲銀の細い肩を抱きそっと唇を寄せる。憲銀は拒もうとはしなかった。

 この夜、私と憲銀は結ばれた。


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