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heel
【教師 官能小説】

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heel-12

「あ」


後ろを振り向いた俺は、そんな間抜けな声を出して固まってしまった。


サラサラの柔らかそうな黒髪ストレート。色の白い小さな顔。ほんの少したれた目に長い睫毛。小さくて形のよい唇。


可憐な女らしさが嫌みなく滲み出ている少女を見て、俺は知らずに彼女の名前を呼んでいた。


「阿部さん……?」


阿部さんはその細い指でパラリと零れる髪を耳にかけると、モジモジしながら口を開いた。


「あ、あの……桝谷くんは……?」


「ああ、今ジュース買いに行った」


「……そっか」


「何か用件あるなら伝えとくけど」


俺の言葉に彼女はしばし考え込むように天井を仰いでいたが、一人で何かを決意するように頷くと、俺の顔をジッと見つめてきた。


「ふ、風吹くん、あのね……実はちょっと相談があるんだけど……」


「え、俺に?」


「うん、桝谷くんのことで」


頬をピンク色に染めながらも嬉しそうに桝谷の名前を出す彼女は、まさに恋する乙女といったところか。


「今度の日曜のデートのことか?」


「う、うん……。映画を観るってのは決まってるんだけど、まだ何を観ようか決めてなくてね。桝谷くんはどんな映画が好きなのかなあって」


「なんだ、そんなの本人に聞きゃいいじゃん」


「それもそうなんだけど……、あの……、桝谷くんはどんなカッコする女の子がタイプなのかなあって……。あたし、男の子と二人で遊ぶのって初めてで……」


見れば阿部さんの顔は湯気が出そうな程真っ赤になっている。


なるほど、桝谷好みのカッコでデートに挑みたい、そういうことか。


俯いて行き場のない右手で下唇をつまんだり、髪の毛先を弄ったりと、阿部さんはとにかくソワソワしっぱなしだ。


なんだ、コイツら両想いなんじゃん。


冷やかすような意地悪な笑みが勝手に込み上げてくる。


純情そうな阿部さんを見てるとついついからかってしまいたくなるのは、男としての性(さが)ってやつか。


「アイツ、実はめっちゃスケベなんだよね。だから阿部さんが超ミニスカート履いたり、胸元が開いた服着たら、もうイチコロだと思うよ」


「え、ええ!? 超ミニ……? どうしよう……そんなの持ってない……」


可愛いけれど大人しそうで、清楚なタイプの阿部さんのワードローブにはそんなアイテムなど持ってないらしく、困ったようにモジモジし出した。









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