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heel
【教師 官能小説】

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heel-11

雅の淫らな姿を記録媒体に残していたのは俺だけではなく、兄貴からも散々責められて喘いでいる彼女の動画も見せられた。


雅の泣き叫ぶ姿をスマホで見ながら、


「今度は三人で楽しもうぜ」


なんて無邪気に笑う兄貴に、心底背筋が寒くなった。


その薄い唇を片方だけ上げて笑う兄貴からは、雅に対する愛情なんて微塵も感じられず、ただただ女を辱しめて喜ぶだけの冷血漢の匂いしかいなかった。


そんな兄貴は、根っからのヒールに違いない。


女にモテても決して彼女を作らなかったのは、それが理由だったのだろう。


そして兄貴は今でも、やっと見つけた理想的な玩具・雅と逢瀬を重ね、あの歪んだ遊びを楽しんでいるのかもしれない。


「今度は三人で」と言う兄貴の誘いに乗って、自らをヒールと割りきれば、もう一度雅を思いのままに弄ぶことはできるだろう。


でも、俺は最後に告白をした際の、彼女の悔しそうに唇を噛み締めるあの表情が今でも焼き付いて離れない。


犯してる最中の雅の屈辱に堪える顔や悲しそうに涙を流す顔は、最高に興奮したというのに。


真っ直ぐに想いをぶつけた時の雅の涙は、胸をギュッと切なく締め付けた。


愛してると心から伝えたのに、歪んだ愛は受け入れてもらえなかった。





多分、俺はこの先誰かを好きになっても受け入れてもらえないような気がする。


だったら、俺は――。


「俺さ、誰かを好きとかそういうのはしばらくいいや」


自虐的に笑えば、申し訳なさそうな桝谷の顔。


こんな風に人を思いやれる桝谷だから、阿部さんはデートのお誘いに応じたのかもしれないな。


眉毛がハの字になってシュンとしている桝谷の情けない顔を見てると、なんだか慰めてやりたくなる。


慰めてもらいてえのはこっちなのに、ウケる。


「なあ、お前が気を遣ったってキモいだけだからやめて」


「でもよ、オレ無神経だったよな」


「だったら、傷心の俺にジュース奢って」


ニッと笑ってやると、ようやく奴もぎこちない笑みを見せた。


「しっかたねえなあ、何がいいんだよ」


奴はケツのポケットから黒いナイロン製の財布を取り出すと、中身を確認し出した。


「スッキリするやつがいいな、炭酸で頼む」


「おっしゃ任せとけ」


桝谷はそう言うとスキップしそうなほど軽やかな足取りで教室を出て行った。


阿部さんとデートができる喜びを隠しきれてない後ろ姿に苦笑いになる。


傷心の友達よりも、自分の恋かよ。


それでも、そんな現金で純粋な桝谷が可愛らしく見えた。


一人になった残り僅かな昼休み。桝谷がいなくなると何となく手持ちぶさたになる。


まあ次はヤクザ寺久保の英語だし、早めに準備しとくか。


そう言って机の中に手を入れた瞬間、後ろからトントンと肩を叩かれた。









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