投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

『STRIKE!!』の最初へ 『STRIKE!!』 853 『STRIKE!!』 855 『STRIKE!!』の最後へ

『SWING UP!!』第14話-11


“隼リーグ選抜”対“猛虎リーグ選抜” 東西交流試合
【 隼 】|   |   |   | |
【猛 虎】|   |   |   | |

 学生野球の聖地である“神宮球場”に集った、“隼リーグ”と“猛虎リーグ”の選抜メンバーたち。
 一様に緊張と興奮を貼り付けた面持ちで、この“東西交流試合”に臨もうとしていた。
「やっぱり、雰囲気が違うぜ…」
 曇天だった昨日の全体練習とは違って、早朝の陽射しに映える人工芝の鮮やかな緑と、青いスタンドの色合いのコントラストが、雄太の目にはとても眩しかった。
「それでは諸君、健闘を祈る」
「「「はい!」」」
 選抜チームの監督を務める梧城寺 楓から、スターティング・オーダーの発表は既に受けていた。アナウンスと共に、電光掲示板に表示されていくそれを眺めながら、先攻めである“隼リーグ”選抜チームの面々は、試合への集中力を高めている。

【隼リーグ】
1番:岡 崎(双葉大)遊撃手
2番:速 水(城二大)中堅手
3番:御 門(櫻陽大)右翼手
4番:六文銭(仁仙大)三塁手
5番:梧城寺(法泉大)捕 手
6番:能 面(法泉大)一塁手
7番:田 村(星海大)二塁手
8番:阿 藤(仁仙大)左翼手
9番:関 根(仁仙大)投 手
 
 控え選手
 仙石(法泉大)屋久杉、草薙(双葉大)仲里、相模(櫻陽大)
 監 督
 梧城寺(法泉大)


【猛虎リーグ】

1番:柴 田(布武大)中堅手
2番:丹 羽(布武大)二塁手
3番:藤 吉(布武大)遊撃手
4番:明 智(布武大)一塁手
5番:佐久間(布武大)右翼手
6番:三 好(摂津大)左翼手
7番:世良田(勢河大)三塁手
8番:細 川(室町大)捕 手
9番: 陵 (紀南大)投 手

 控え選手
 荒木、中川(摂津大)和田(室町大)本多(勢河大)浅井(近江大)
 監 督
 織 田(布武大)


(あの面子の中で、清子が先発か…)
 一番打者の岡崎が、マウンドで投球練習をしている清子を見ている。感慨深げなその視線はしかし、“恋人”に対する甘いものではなく、相対している敵チームに対する厳しさに満ちていた。当然ながら、打つ気満々である。
『手加減したら、ウチ、絶好やからな』
 そう言われた昔のことを思い出している、そんな岡崎であった。
「まあ、当然といえば、当然の顔ぶれですなぁ」
 ベンチに座る、法泉印大学の主将・仙石の呟きである。前期優勝チームの主将とはいえ、学年では3回生になる彼は、上回生の多いこのベンチにあっては、語尾がいくぶん丁寧になっていた。
「布武大は、今年も圧勝で“猛虎リーグ”の前期を制したからな」
「1番から5番まで、“布武の五虎”でオーダーが占められるのも、わかる気がしますね」
 星海大から唯一の選抜となった田村が、櫻陽大の仲里の言葉を引き継いでいる。彼は、身体こそは選抜メンバーの中で二番目の小兵(一番は、響)になるのだが、“隼リーグ”ナンバーワンの内野守備力を評価されての選出である。チームの成績こそ奮っていないが、それでも懸命に、守備で貢献しようとする姿は見ていて好もしい。
「捕手の細川にも要注意だ。おとなしい顔をしているが、内角の厳しいところを突いてくるし、弱みを見せたら容赦なくそこに付け込んで来るぞ」
 チームの中にあって経験が豊富な仁仙大の六文銭は、練習試合で対戦の経験がある相手捕手への警戒心を、特に強めているようだった。
「プレイボール!」
 主審の声が、早朝の清浄な空気の中に響き渡る。第1回目の“東西交流戦”が始まりを迎えたのである。
「………」
 打席に入る岡崎は、選手としての対峙も久方ぶりとなる清子との一戦に、知らず胸を躍らせていた。
(マウンドで、こんな、ドキドキするの、久しぶりやわぁ……)
 それは、マウンドに立つ清子も同様である。憧れの“神宮球場”で、先発を務めるばかりか、最初に迎える打者は、愛しの岡崎なのだから、それも当然のことと言えよう。
(ウチ、しあわせや…)
 プレートを踏んだ清子が、少しばかり浮ついた気分で第一球目を投じた。
「!」

 キィン!

「あら?」
 ど真ん中に入った直球を、岡崎のバットが一閃して、打球は空高く舞い上がった。
「おいおい、まさか……」
 ベンチから身体を乗り出して、打球の行方を雄太は追いかける。
 球場のあらゆる視線を受け止めながら、打球はそのまま、バックスクリーン真下のフェンス内に、飛び込んでいった。
「おおっ!」
 初球先頭打者本塁打である。
「また、やっちゃったよ、この人…」
 ウェイティング・サークルにいる2番打者の速水は、“隼リーグ”での初戦で、同じ光景を一番間近で目にしていたので、相変わらずというべき岡崎の思い切りの良さに、今更ながら嘆息するしかなかった。


『STRIKE!!』の最初へ 『STRIKE!!』 853 『STRIKE!!』 855 『STRIKE!!』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前