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恋する気持ち
【学園物 官能小説】

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恋する気持ち-6

「…え、だって、燈子女史って隣町の女子大行くって言ってなかったっけ!?」

泰臣が、衝撃的な告白に固まったままの俺の代わりに慌てふためき問い掛ける。

「やりたいことができて、進路を変えたの。直樹と泰臣は、こっちの大学だったよね。…二人とも、小学校から長い付き合いだったね…」

最後の方は、よく覚えていない。
とりあえず俺は、なんとかその場を取り繕ってくれた泰臣に合わせて、曖昧な笑みを顔に張り付けたまま、足下から崩れていくような感覚に必死に耐えて立ちすくんでいたんだ。


卒業証書を受け取った阿川が、壇上から降りてくる。

12歳、15歳、そして今日。
18歳になった俺たち。
共に迎える三度目の卒業式。
――でも。
もう、『この次』はないんだ。

…バカだよな、俺。
高校進学の時、偏差値が違いすぎる阿川のことを一度は諦めたはずだった。
だけど、奇跡が起きて。
また三年間を、一緒に過ごすことができて。
――だから。
もしかしたら、もう一度奇跡が起きるんじゃないかって。
阿川と離ればなれになることなんて、もう永遠にないんじゃないかって。
心のどこかで、そんなふうに考えていたんだ。

…神様。
人は、どうして誰かを好きになるんだろう。
どんなにどんなに想っても、届かない恋だってあるのに。
泣いたって叫んだって叶わない心は、きしんで悲鳴をあげるのに。
――それなのに。
やっぱり俺は、だったら阿川と巡り逢わなければよかった…なんて、そんなこと、きっと一生、思えるわけないんだ。


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