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天野安冶の受難
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誕生祝い-2

まあ、それはどうでも良い。話は甘粕(あまかす)のことだ。
今日、甘粕元(あまかす はじめ)が俺の下宿に来て、アダルトDVDを置いて行った。
俺の誕生日を知っているのはこの甘粕だけで、今回初めて誕生プレゼントを持って来たんだ。
何故甘粕が俺の誕生日を知っているかというと、俺と1日違いだからだ。
あいつは次の日の4月8日だ。
小学校のときに同じクラスになったことがあって、月ごとに誕生祝いというのをやってたのでわかったんだ。
誕生祝いと言っても朝の会でみんなで歌を歌って終わりと言う、安上がりのものだった。
それ以来、甘粕は4月7日になると、俺を必ず見つけ出し、『おめでとう』とすれ違いざまに言ってくるんだ。
それをされると俺は次の日に甘粕がどこにいようと必ず見つけ出さなきゃいけない!
見つけたら周りに人がいないのを確かめてから『おめでとう』と小さい声で早口に言って逃げて来るんだ。
すると走り去る俺の背中に向かってにっこり笑って片手を挙げて『ありがとうな』って言うんだ。
お前が言わせてるんだろう! 頼むから前の日に俺を見つけないでくれ。
それを中学1年のときからずっと続けて今年で6年目だ。

 


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