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熱いバトル・トーキング
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熱い会話へ-4

 今日のトーキングに選ばれた男も女も、
この女優が何を言うのか興味を持って見つめていた。

「信一郎さん、わたし、セックスの回数のうんぬんを言う前に、
わたしが考えてるセックスについて言ってみようと思うのですが、
それで良いですか?」

「もちろん僕はいいですよ、どうですか皆さん?」
「お願いします」
「うわぁ、楽しみっ!」

 皆の顔を見渡しながらかおるは口を開いた。
 信一郎は、かおるが何を言おうとしているのか分からなかった。
 自分以外の時のかおりを、或いは今は本名の沙織、として言うのか。


「あの、私みたいな女優と言う仕事していると、
普通に皆さんが考えてるようなものと少し違うと思うのです、
人それぞれ人によってその考え方は違うかもしれないけれど、
そうですね、私の思うセックスとは、なんて言うのかしら、

一言では言えないと思うの、無性に人恋しくて抱いて欲しいと思うこともあるし、
ただ激しく私を奪って欲しい、と思うこともあるわ、
その時の雰囲気やタイミング、
その時の自分の気持ちの持ち方によって変わると思うの、
どうしようもなく落ち込んで惨めな気持ちになった時など、
好きな人に激しく抱いてもらって自分忘れたいと思う時もあるわ、

それから自分の気持ちが落ち着いてゆっくりとしたときには、
優しく抱かれたいと思う時もあるし、
一概に一言では言えないかもしれないの、
あの、上手く答えになってないかもしれないけれど、
こんな話しでいいのかしら」


 そう言ってひかるは微笑みを浮かべながら言った。
 それを聞いていた信一郎は思った。

(今のひかるは、一人の女としての素直な気持ちだろう、
しかし、あいつの本当の心はあんなものじゃない)
 信一郎は、じっとひかりを冷たい目で見つめていた。

 そんな信一郎と眼があったひかるは少し動揺した。
(あんなこと言ったけれど、信一郎様はどう思ったかしら?)


 そんな彼女の心も知らずに、
ファンでもある三郎が興奮気味に言った。



「あの、不粋なことを聞いてもいいでしょうか? ひかるさん」
「はい、なんでしょう三郎さん」


 三郎はこの女優のひかるが、自分の名前を言ってくれたのが嬉しかった。

「ありがとう、ひかるさん、私はあなたの大ファンでして、
貴女が出ている映画は大体見ていますよ」

「ありがとございます、それで私に聞きたいこととは?」

「はい、あなたがこの間出たインディーズ映画の中で
激しく俳優さんとセックスのシーンで絡んでいましたが、
あの白熱した演技が素晴らしかったです、私は興奮しました。

 映画の中だとしてもその中で、演技中に本当に感じてしまうことがあるんですかねぇ、
こんな事を本当に聞いていいのかどうか分からないんですが…
色々とね」

 ここまで三郎は一気に言って、ふぅとため息をついた。

 いくら女優のインタビューと言っても、通常ではマスコミは、
そこまで入り込んだ発言はしないのだろう、
そんな質問を今日は許されているのだ。

 彼の心の中は興奮していた。
 心なしか、顔が赤い。




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