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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第11話-59

「ん、んん……」
 深く、唇同士が繋がる。触れているだけとは違う、互いの意思がはっきりと交わった、恋人同士の甘く熱い口づけであった。
「ん……にぃ……んん……」
 響の言葉を奪うように、隼人は何度もその唇を塞いでは離し、離しては塞ぐ。息をするのも惜しいぐらいに、響の柔らかい唇を、自らのそれで堪能している。
「ん、はふ……ん、んんっ……んぅ……」
 響も同じように、隼人の唇を甘く噛んで、ぴったりと重ね合わせて、深く吸いついた。

 ちゅ……ちゅる……ちゅ……ちゅぅ…

 ほの暗い空間の中で、互いの唇を吸い合い、呼吸を分け合う音だけが響く。
「はぁ……ふぅ……」
 響の吐息に混じる、濃密な性の香り。それは、唇のふれあいだけでも、身体の奥底から情念が滾ってきているという、何よりもの“証”であった。
「響、煩悩が、溢れてるぞ……」
「にぃにぃだって……」
 浴衣の上から抱きしめているその両手が、響の身体を撫で回している。
「ん、ふ……」
 ぴくり、と響の体が、小さく揺れた。だがそれは、抵抗を示すものではなかった。それを証拠に、響は絡みつくようにして、その全身を、強く隼人に押し付けている。
 そういう仕草を見せられれば、隼人はもう、己の煩悩を止めることなどできようはずもなかった。
「あっ!」
 やにわ、肩を掴まれて、響は身体を反転させられる。
「にぃにぃっ……」
 敷布団の上に押し倒されて、その勢いで胸元が少しはだけた姿を、隼人に対して、晒していた。
「“伊達締め”、緩めるぞ…」
「………」
 こくり、と響の頤が軽く縦に揺れる。それを確かめてから、隼人はまず、浴衣の“伊達締め”を、解きほぐした。
 “伊達締め”の圧迫感がなくなって、するり、とそれが緩んだ様を見せる。胸元の合わせ目が更にはだけて、下に身に着けている“肌襦袢”の白い部分が、より顕になった。
 ごく、と隼人の喉が鳴るのがわかった。
「響、触るぞ…」
「う、うん。いいよ、にぃにぃ…」
 隼人の右手が、ゆっくりと、胸元から入り込んでくる。
「あっ……」
 なだらかな丘に、隼人の熱い手のひらの感触が覆いかぶさってきて、響の肌に、未知の粟立ちが広がった。

 ふに、ふに、ふに…

「ん、にぃにぃ……くすぐったい……」
 胸元をまさぐられている感触は、揉まれているというより、くすぐられているような感覚である。
「んふっ……あはっ……んんっ……んひゃは……」
 くすぐりを受けて、笑っているのか、肌に粟立つその心地よさに、悶えているのか、判別のつきかねる響の反応であった。
(むむ……)
 なにしろ、こうやって女性の身体を愛撫するのは、隼人も初めてのことなのだ。来るべき時に備えて、秘伝の“禁書・男子房中術(要するに、エロ本)”を、それこそ穴が空くほど通読して来たが、実際の場面に遭遇して、知識はあくまで知識でしかないことを、隼人は大いに痛感した。
「ん、あっ……あふっ……ふ、ふふっ……」
 それでも負けじと、なだらかな胸をこねるような動きで、手のひらを上下させる。響の吐息に、甘さが混じってきたのは、くすぐったさよりも、気持ち良さの方が強くなってきたからだろうか。
「んひゃっ……!」
 ふと、固い感触が指先に当たり、それを指で摘んで捏ねてみると、響の身体により大きな“快楽”の反応が出た。


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