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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第11話-50

「………」
「………」
 投手戦を演じてきた両雄が、最高の場面で対峙していた。期せずして交錯したその視線は、激しい火花を散らしている。
 隼人の不敵な笑みと、大和の静かな面差し。好対照ともいえる二人の表情は、しかし、その間に誰も割り入れないほどの、神聖な空間も存在していた。
(大和……)
(にぃにぃ……)
 桜子も響も、それぞれの想い人が懸けているものを、静かに思い遣る。そんな女たちの目の前で、男たちの最後の激突が、始まろうとしているのだ。
「プレイ!」
 戦いの開始を告げる、主審の声。それを受けて隼人は、セットポジションから第一球目を投じてきた。

 ゴォッ! ズバァン!!

「ストライク!」
 大和の内角高目を貫く、“色族是空”が決まる。気持ちと気合が乗り切ったその1球は、8回を迎えているとは思えないほどの凄まじい球威で、響の構えるミットを強く鳴らした。
 二球目。やはり、同じく内角高めに、隼人の全力ストレートが襲い掛かる。
「!」
 大和は、溜め込んでいた力の全てを一気に解放する、峻烈なスイングでそのボールを打ち放った。

 キィン!!

「うおおっ!!」
 高々と打球が舞い上がる。一瞬、スタンドオーバーも頭をよぎったその打球は、しかし、途中から一気に左へと切れていき、三塁側スタンドの最上段のフェンスに当たって、大きく跳ね飛んでいた。
「ファウル!」
 大和は、その手応えで全てを察していたように、打席から一歩も動いていなかった。そして、対する隼人も、信念を持ってその打球を目線で追いかけようとはせず、マウンドの上に、仁王立ちになっていた。
 勝負の三球目である。ボールをひとつ挟むことなど、隼人も響も考えていない。そんな“間”を取ることは、ギリギリの勝負をしている今、逆に命取りとなる。
「………」
 その覇気は、大和にも伝わっている。だから彼も、この三球目に全ての意識を注いで、気迫を全身に漲らせていた。

 ごくり…

 と、誰かの息を呑む音が聞こえそうなほどの、そんな静寂が、グラウンドに一瞬降りた。本当にそれは、刹那の静寂であった。
 隼人の足が上がる。大和が腰のバネを引き絞る。
「喝!!」
 上がった足が勢い良く、マウンドの土を削る。その勢いが隼人の全身を伝道していき、柔らかくも力強いそのモーションによって増幅され、左腕に収束していく。

 ビシュッ!!

 と、鞭のように振られた左腕の先から弾かれた豪球が、大和の膝元を貫いてきた。
「!」
 球筋に、ブレを感じなかった。それは、隼人の全力がボールに宿った、正真正銘の“剛速球”だった。


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