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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第11話-18

 高速バスを降りて、“安広寺”に向かう面々。不慣れな土地でもあるので、タクシーで分乗し、目的地を目指すことにした。
「これが、そうか」
 黒々とした瓦が印象的な表門の前でタクシーを降りる。門をくぐった境内は、意外に小ぢんまりとした空間が広がって、眼前に本堂と思われる寺院造りの建物があった。
「やあ、皆さん。お待ちしていましたよ」
 石畳の通路を掃き清めていた、僧衣姿の凛とした女性が、大人数で表門をくぐって来た面々をそれとすぐに見極めて、穏やかな笑みを浮かべながら、歩み寄ってきた。
「Nice to meet you! わたしは、双葉大学・軟式野球部の監督・長見エレナです。このたびは、とてもオセワになりますのです」
 エレナが求めてきた握手を、僧衣姿の女性は笑顔で受け取った。
「はじめまして、長見監督。私はここ“安広寺”の住持で、梧城寺 楓と言います。何も無いところではありますが、ゆっくりと過ごされてください」
 “どうぞ、こちらへ”と、その楓に案内されたのは、境内の右奥手にある、少しばかり古めかしい平屋の建物であった。
「こちらには、余裕を持たせるなら8人ほど泊まることが出来ます。女性の方もいらっしゃるとお聞きしたので、部屋は二つ、用意しました」
「THANKS」
「ただ、あと4名様については別の場所となりますが…」
 楓が居並ぶメンバーたちを見遣りながら、言う。
「ショウチの上、で、ございますよ。サクラ、ヤマト、ユカ、ワタルの4人を、そちらによろしくお願いします」
「わかりました。……隼人、隼人、いるか!」
 不意に楓は、凛とした良く通る声を挙げた。刹那、がら、と平屋の玄関戸が開き、作務衣姿で頭巾を被った、大柄で体格のよい男子が姿を表した。
「御院、準備は万全です!」
「ご苦労」
 見間違いでなければ、作務衣姿のその男子は、“隼リーグ・最強の左腕”と名高い、天狼院隼人、その人であった。
「やあやあ、皆の衆。遠路はるばる、よく来たな。見た目は古めかしいが、中身は最新設備のオンパレードだ。安心して使ってくれ」
「隼人、上の宿坊には、こちらの方々がお泊りになる。案内してさしあげるように」
「合点!」
 二人のやり取りには、とても慣れた雰囲気があった。
「everyone、荷物を下ろして、ラクになってください。1時間後に、こちらのホンドーに集合してくださいね」
「「「Sir!」」」
 エレナの仕切りのよって、この場は一度解散となった。
「それじゃあ、あんたらは、“上の宿坊”に連れて行くぜ」
 桜子、大和、結花、航の四人は、隼人の先導を受けて、彼の言う“上の宿坊”を目指すことになった。
 平屋のあった所から、さらに奥手に進むと、表門よりもやや小さな門があり、そこから伸びる苔むした階段は、幅こそそれほど広くは無いが、五十段は優に越えようかと言う居様をもって、四人を出迎えた。


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