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【純愛 恋愛小説】

花の最初へ 花 0 花 2 花の最後へ

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人気の無い静かな丘に、一輪の花が咲いていまし た。

花には心がありました。

どうして自分がこんな場所にぽつんと咲いている のか、よく考えました。

そしてよく、寂しくなりました。

花には楽しみがありました。

「あ、今日も綺麗に咲いてる」

花には、自分のことを気にかけてくれる『人間』 がいました。

『人間』は毎日花に水を与えてくれました。

その時が一番花にとって幸福な時間でした。

「じゃあ、またね」

いつものようにその『人間』は花に水を与え、 去っていきました。

それが『人間』が現れる最後の日でした。

それから『人間』は、花が待っても、待っても、 現れませんでした。

もうすぐ、花は枯れます。

枯れてしまって、死んでしまったら、もう会えな くなってしまう。

花はそれがとてもとても嫌でした。

そして花は願いました。

神様―――

私に、手を下さい、足を下さい

私を『あの人』に会わせてください―――

すると、天から声がしました。

貴方を自由にしてあげましょう

しかし、その美しさと引き換えに。

それでもいいですか

「はい」

次の日、花は、人間になっていました。


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