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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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憲=サンタクロース?-4

「……ありがとう、憲。本当に素敵なクリスマスプレゼントだ。一生大事にする」
「そう言ってもらえるとありがたいね」
白雪の嬉しそうな顔を見れるだけで、今までの苦労が全ていい思い出に思えてくる。それぐらい、白雪の笑顔は良かった。
「……ちょっと待ってろよ」
そういうと、白雪は一目散に駆け出していった。…なんだろ?
すぐに白雪は戻ってきた。紙袋を抱えて。
「……これ。メリー・クリスマスだ」
おぉっ!!白雪からのクリスマスプレゼント!!
「うん」
受け取って、紙袋の中身を取り出すと……
「マフラー…」
黒の毛糸の地に白い毛糸でラインが入ってるマフラーだった。あれ、これ手編みか?
「その……母さんに教わって。初めてだったから、ちょっとほつれたりしてるかもしれないし、憲がくれた物なんかよりずっと安物だけど……」
「……なに言うんだよ、手編みのマフラーなんて、俺が贈ったのよりもずっと凄い……ありがとう。本当にありがとう」
手編みのマフラーなんて、考えてもいなかった。白雪って、そういう事はしそうにないって、勝手に思っていたのかもしれない。
「で、でも憲のは何万円もしたんだろ?」
それでも、白雪は気が咎めるのか、聞いてくる。
「そうだけど、白雪の手編みのマフラーなんてどこにも売ってないだろ?白雪が俺のためだけに作ってくれたんだ。いくら詰まれたって、このマフラーに見合う金額はないさ」
ほら、CMでやってるプライスレスってやつだ。
白雪の手編みのマフラーを持ってる人間は今のところ世界で俺一人!光栄の極みだな。
「そ、そうなのか?」
「そうなんだ!」
キッパリ言い切った。そんな事ない、なんて言う奴がいたら、俺は法廷に出てでも認めさせてやる。
「じゃ、あらためて…メリー・クリスマス、白雪」
「…メリー・クリスマス、憲。今までで最高のクリスマスをプレゼントしてくれて、ありがとう」
「こちらこそ」
俺にとっても、最高のクリスマスだ。
神様……もしいるんなら、今日はあんたの誕生日だ。こういうクリスマスを白雪と過ごせるようにしてくれたかもしれない、あんたにもしっかり感謝しないとな。
メリー・クリスマス。



END


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