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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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憲=サンタクロース?-3

さて、今…白雪は風呂に入ってるわけだが。
計画実行のチャンス到来って訳だ。
ちなみに俺は一番風呂を賜った。ありがたい事だ。
まぁ、こんなこともあろうかと寝間着はしっかり用意させて頂いたがな。
と言うわけで、今日は泊まるわけになったのだが、まだ白雪の部屋に行くにはイベントが残ってる。
クリスマスケーキを食べないとな。
それに、それ以上に大事な事があるし。白雪があがってくる前に用意しないければ。
と言うわけで持って来たリュックの中身を使う時が来た。
まず、リビングとダイニングの電気を消して……、俺は隠れるっと。
え?リュックの中身はどうしたかって?
まぁ、慌てなさんな。お楽しみお楽しみ。
おっと、白雪があがってきた。
「……あれ?なんで電気が消えてるんだ。それに憲もいないし」
リビングに入ってきた白雪は周りを見回している。
お、スイッチの方に歩き始めたぞ。よぉし、スイッチを入れた瞬間が勝負!
「え〜と、あったあった」
カチッ……パッ
「メリー・クリスマス!!!」
「ひゃあ!?……って憲!?」
後ろから叫ばれて、飛びはねた白雪が振り返った。
「……憲、なんだ?その格好」
「あれ、見てわかんないか?」
全身真っ赤な服装に髭……と言えば
「サンタクロース?」
「正解!!」
ビシッと白雪に指をさす。
「……………」
「あれ、何でそんな呆れ顔してるんだ?」
「いや、全然似合ってない。それに何処でそんな衣装、借りたんだ?」
「借りたんじゃないんだな。家にあった」
「へ?」
嘘ではない。これは家の箪笥に入ってたのだ。多分、親父が俺や姉貴が小学生の時にプレゼントを置く時にバレても大丈夫なように……とかの理由だろう。
子どもっぽい所あるからな、親父は。
「まぁ、似合ってないのは俺もわかってるけどな」
「リュックの中身はそれだったのか?」
「まぁね。でも、これだけじゃないぞ。ほら」
白い袋の中から一つの小さい箱を取り出した。まぁ、袋に対してなんとも寂しい中身だが、これでもしっかりと俺の愛情が篭った物だ。
「え……アタシに?」
「白雪以外にプレゼントなんかするか」
ちょっと驚いた白雪にそう告げた。
すると白雪はすぐに満面の笑みを浮かべてくれた。
「ありがとう、憲。開けてみていいか?」
「どうぞどうぞ」
白雪は包装を綺麗に解き、箱から小さな宝石箱みたいなのを取り出した。
その箱を開けると……
「わぁ……髪飾り」
「白雪の誕生日って2月だろ?だから、誕生石のアメシストが真ん中に入ってるんだ。ほら、その紫っぽい色した水晶」
「素敵………でも、高かったんじゃ…」
「心配無用。夏休み言ったろ?バイト代とか貯金してるって」
「夏休みから!?」
「ほら、うちの学校、長期休暇の時しかバイトしちゃ駄目だろ?だからさ」
まぁ、実際はほとんど守ってない奴ばっかだけどね。見つかった奴はどんくさいっ言われるし。
「それに、それ、白雪のお母さんの作品なんだ」
「え……?」
白雪は驚きの表情で髪飾りから視線を俺に移した。
「実はさ、何をプレゼントしたらいいか悩んでさぁ。いろんな人にアドバイスもらって、白雪のお母さんがそれなら安くしてあげます、って言ってくれて、お言葉に甘えたんだ」
「そうだったのか……」
「うん。孝之なんて『模造刀はどうだい?』なんて言いやがるしな。それも良いかなって思ったけど、やめといた」
世界のどこ探しても、彼女へのクリスマスプレゼントに模造刀を贈る馬鹿はいないだろう。危うくそんな希代の馬鹿になる所だったけど。


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