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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第7話-29

 …第三世界の住人である特権を活かして、雄太と品子の此処に至る時間を遡ってみる。
 チームは現地で解散したから、手にしたトロフィーも、品子ともども自分の部屋へそのまま持ち帰って良かったのだが、雄太はなんとなく大学の部室へ戻ることにした。
『今日の試合は、みんなに助けられたぜ』
 そう言いながら、昨年と同じ形をした、2部リーグを制覇した証であるそれを棚に並べる。そしてなぜか、二泊一礼をして、トロフィーを拝んでいた。
 それぐらい、特別な思いが宿ったものだったのだ。
『次の試合こそは、しっかりしなきゃな』
『雄太』
 雄太の様子が、いつもと少し違うものに感じた品子は、それが心配になった。
 どちらかといえばお調子者な一面があり、また、失敗したとしてもそれを引き摺らない思い切りの良さも持っている雄太なのだが、今の彼にはそれを感じなかった。
『ねえ、ドライブでもどう?』
 だから品子は、気分転換に雄太を誘い出すことにしたのだ。実は、雄太が言う“遠出”の言い出しは、品子だったのである。
 そして、運転免許を持っているのは品子なので、自然、ハンドルを握るのも彼女になった。品子は、親からのお下がりでもある軽自動車に雄太を乗せて、気の向くままそれを走らせた。
 城央市から山の手へのルートを辿り、簡単な森林浴ができることで有名な“道の駅・四方山”でしばらく過ごした後、寄り道をして、また市内へと戻ってきた。
 城北町は、そのルートの起点にもなっている場所なので、時間的なこともあり目に付いたスーパーに寄ったところ、大和と桜子に出会ったとこういうわけである。
(何処に寄り道したって? 決まってるだろ、ホテルだよ)
 …あなたは誰に言ってるんですか?
(気分的には10年ぐらい経ってんだ。我慢できるかっての)
 …本当に、本当にすみませんでした。
 さて、である。
「そっちはマイバッグ持参ってのが、憎らしいところだな」
「慣れてるわよね。夫婦みたい」
「多分帰るときには、手をつないでんだぜ」
「あれよねっ。チャー……なんとかの、あれみたくよねっ」
「あ、あの…」
「た、頼みますから…」
 レジを済ませ、袋につめるところで色々と茶々を入れられた。品子が、雄太に同調するように二人をからかうのは、実は珍しいことでもあった。


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