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生徒はお嬢様
【コメディ 官能小説】

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生徒はお嬢様!?-2

 いきなり部屋に飾られている絵画が喋ったと思ったら、中から変なオッサンが出てきた。
 つーか、あの絵画って普通に高いやつなんじゃないのか? わざわざ登場に使っていい
ような代物じゃないだろ!
「ほぅ……君が彼女が進めてきた生徒か」
 絵画からの登場なんて無かったかのように俺の前まで近づいてきて、マジマジと見つめてくる。
「ふーむ……」
「あ、あの……」
 ただ見つめられているという状況に耐えられずに声をかけてしまった。
「何かね?」
 ぐ……っ、ここで何もないなんて言ってしまうと変な奴だと思われてしまうよな? まぁ、
こんなオッサンに変な奴と思われても問題ないような気はするが……
 だって、このオッサンが一番変だしな。だが、一応会話をしてみるか。気になっている
こともあることだしな。
「何事もないかのように俺に話しかけてますけど、登場に使ったあの絵画はいいんですか?」
 大きな絵画とかいえ、大人の人間が出てきたのだ。絵画は見るも無残なほどにボロボロになっている。
「あぁ、あれは偽物だから心配しなくてもいい」
「に、偽物ですか!?」
「そうだ。彼女の教え子が来ると聞いて何か面白い登場をしなくてはと思ってね。急いで
偽物の絵画を用意したというわけだ」
「そ、そうなんですか……」
 わざわざ俺を出迎えるためだけに偽物の絵画を用意するとは、さすが大金持ちだな。
「驚いてもらえたかな?」
「そ、そうですね。かなり驚きましたよ」
 あなたの登場の仕方も、たったそれだけに無駄に金を使う精神もな。
「さて、それでは私はそろそろ失礼しようかね」
「えっ!? もう!?」
 まさかとは思うが、あの登場をするためだけにこの部屋に招かれたわけじゃないだろうな?
「ああ。私はただ君の驚く顔が見たかっただけだからね」
 そう言って爽やかな笑みを浮かべているオッサン。九条家の当主がこんなヘンテコなオ
ッサンで大丈夫なのかよ? よくあんな性格で金持ちになんてなれたな。
「あぁ、そうそう君に一つ言い忘れていたのだが、うちの娘はなかなかに面倒だから気を
つけてくれよ」
 自分の娘に対して面倒とか言ってやるなよ。一応、あんたの娘だろ。
「それと別に娘に手を出すのは構わないが、それ相応の覚悟はしておいてくれよ?」
 今日一番の笑顔を向けてとんでもないことを言ってくる。その言葉はつまりあれか?
 俺の娘に手を出したら海に沈めるぞって意味なのか、または婿入りしろってことなのか?
 普通に考えたら前者なのだろうが、あのオッサンの性格を考えると後者のような気がする。
 まぁ、そんなこと考えても俺が金持ちの娘に手を出すだなんてあり得ないけどな。俺だ
って命は惜しいし、九条家なんて大金持ちに婿入りする気もないしな。
「心配しないでください」
 だから俺も精一杯の笑顔でそう答えてやった。
 そんな俺と九条家当主のオッサンとのやり取りが終わると同時に、タイミングよく使用
人が入ってきた。まさかとは思うが、この人外で待っててくれていたのだろうか?
 そうじゃないと、このタイミングのよさはあり得ないだろう。
「藤原様。今からお嬢様のところへと案内します」
「はいお願いします」
 俺が勉強を教える相手。あの変なオッサンの娘……正直あまりいい予感はしない。親が
アレだからその娘もきっと変な奴なんだろうな。
 会う前から気が重くなる。
「こちらになります」


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