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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-7



三日後。
恵梨は前回と同じように、校長室前の廊下で壁に寄り掛かって瑞稀を待っていた。
その瑞稀は、校長室にいる。テレビ電話で、相手方にOKの答えを告げる為に。
正直、瑞稀が家族を説得出来るか心配だった。自分も、説得に加わろうかと思っていたくらいだ。
だが、ちゃんと認めてもらったようで、清々しい表情をしていた。

「・・・4年、か」

長いと思う。
自分は大学に通っているのに、親友はもう働いているも同然。
遠い人になりそうで、怖かった。瑞稀は、気にしないのだろうか?
日本とアメリカの距離を。半日は時差があるというのに。
勿論、前に言った“応援する”という言葉は嘘じゃないし、今も心から思っている。
だが・・離れたことで自分との関係が変わってしまうんじゃないかと不安なのも、また事実。

「・・あれ・・?」

ここまで考えて、ふと思い出す。

「瑞稀、彼氏君どうすんだろ」

そう、瑞稀の彼氏。二日前から全く話が出てこない。確か、大会を勝ち進んでいることは聞いたが。
親友の自分以上に、どうするのかと気になった。こちらとの関係はどうするんだろうと。
ちゃんと話して、恋人関係を続けるのだろうか。

「って、当たり前だよ。瑞稀のことだもん。」

相手のことを考える瑞稀なら、ちゃんと話しておく筈。
別れるとかも・・しないだろう。夏休みに見たとき、本当に相思相愛だった。
そんな二人なら・・・。
そう考えていると、校長室の扉が開いて瑞稀が出てきた。
すぐに自分の隣に駆け寄ってきた。

「ゴメン、恵梨。待たせて」
「ううん。ウチが待ちたいから待ってただけだから。で、なんて?」
「うん」

一回頷いて歩きながら、瑞稀は簡単にまとめた話をした。
出発日は、再来週の土曜日。飛行機のチケットは向こうが出してくれて、後で手紙で送るそうだ。その手紙には、瑞稀が住む予定のマンションの住所が書いてある紙と部屋の鍵が同封されているらしい。来る前に、大きい荷物を先に部屋へ送って、飛行機にはトランペットと大きくないトランクケースだけでくるようにと言われたこと。
日本人は瑞稀だけだが、少しくらいなら日本語が話せる人も何人かいるから安心して欲しいと言われたこと。
そこまで聞いた恵梨は、嬉しそうに話す瑞稀が遠い人のように感じて先ほど考えていたことが頭を過ぎり、立ち止まった。

「あと、高1の総テスト受けろって校長に・・恵梨?」
「・・・瑞稀は・・」
「え?」

急に立ち止まった恵梨を不思議に思った瑞稀は、俯いている顔を覗き込んだ。
恵梨は、震えるような声を出した。



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