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恋愛戦隊ラブレンジャー
【その他 官能小説】

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恋愛戦隊ラブレンジャー-5

『やっぱり。思い出もあったでしょ。イヤな事ばっかりじゃ、思い出って出来ないからね。好きだった頃の事を思い出して、一生懸命やってごらん。すぐにカンを取り戻すと思うし、何より楽しいはずだから。』
愛美さんの言葉。それが心に響いた。考えてみれば、チームのメンバーも今のお仕事も、そして剣道も。みんなみんな大好き。
でもそれを、知らず知らずのウチに重荷に感じていた。自らの中で勝手に悪い方にとらえ、悩んでいた。
『しかし、愛美も珍しくイイ事言うなぁ。』
『何よっ!珍しくって!!』
ムッとした顔で明人さんを睨む愛美さん。
『だってさぁ、何か青春してるって感じ。もしかしてお前、若返ったか?』
ふて腐れる愛美さんを尻目に、明人さんが冗談めかして言う。
『ホント、熱血って感じですね。』
つられて言った私。
『もぉ、二人ともぉ〜!私だって話してて恥ずかしかったんだからっ!』
和やかな雰囲気が私達の周りを包む。問題が片付いた安心感から、食が進む。
『ここのお料理、美味しいですね。』
『そうでしょ。同僚の子のお薦めなの。杏子ちゃんも、早く彼氏作って一緒に来なきゃ。』
『えっっ!?そ…そんな事…』
急に顔が熱くなってきた。ある人の事が、頭の中に浮かぶ…
『ところで、トレーニング先の候補はある?』
話題を断ち切る様に、明人さんが話し始めた。私としては、かなり助かった気がする。
『いえ、まだ決めてないんですよ。どこかご存じありませんか?』
『じゃ、ココは?』
そう言って、財布の中から名刺を出してくれた。
『ウチのお得意様なんだけど、ジムを経営してるらしいんだ。俺からも電話しとくよ。』
『あっ、ありがとうございますっ!』
明人さんから名刺を受け取り、お礼を言う。
『良かったわね。これで大体の問題は片付いたみたいだし。』
デザートの洋梨のシャーベットを食べながら、愛美さんが話してくれた。
『はいっ!早速、竹刀の素振り始めますっ!』
『でも、今の部屋にモノはあるの?』
『あ…実家にあるんだ…』

−お腹も心も満たされた食事。私は二人にお礼を言って帰った。そして、すぐにスポーツ用品店に向かった。
《今すぐにでも昔の感覚を思い出さなきゃ!》
帰り道での私は別人だった。目標に辿り着く為の道しるべ。それを手に入れた事が自信につながった。
と同時に、次こそは自分一人で解決させたい。そんな自立心が芽生え始めていた。
しかし、悲しい事がひとつだけあった。
《誰も気付かないのかなぁ…》
目深に被った帽子とサングラス。顔を隠す為の格好は、ムダな努力と終わってしまった…

−家に帰って包みを開ける。ついさっき買ってきた木刀。
時間が時間だった為、ほとんどの店が閉まっていた。しかし、たまたま入ったホームセンターに木刀が置いてあった。
新品の木刀。握りの部分にテーピングをする。竹刀に比べ、ずっしりとした重量感がある。
《どんな感じかな?》
木刀を両手で握り、構える。そして一気に上段から振り下ろす。
…ビュンッ!
空気を裂く音。しかし、昔に比べたらキレが無い。
《錆付いてるなぁ。とりあえずは、50回くらいなら…》
…ビュッ!ビュッ!
近隣に迷惑がかかるので、声は出せない。黙々と振りかざす。
…ブゥンッ…
『はぁっ、はぁっ…』
たった20回。それだけで息が上がった。明らかな体力低下。スタミナもない。
初めてのアクションシーンで筋肉痛になった記憶がある。あの時は、体が動きに付いて来れてないだけ。そう解釈した。
しかし、今回は過去に馴れ親しんだ素振り。木刀の重さを差し引いたとしても散々な結果だ。
《明人さんの言った事、正解だったかも…》
額の汗を拭いながら、ベッドに腰を下ろした。
《明日にでも行ってみなきゃ…》
さっき受け取った名刺を見ながら、ベッドに寝転がった…

−この日の撮影シーンは前半のドラマ部分だけだった。おかげで、少し安心した。実は、昨日の素振りで腕がパンパンになってた。
『杏子さん、何か疲れてない?』
拓磨君が心配げに話してきた。
『ん、大丈夫。少し、寝不足気味で…』
笑顔で返事をした。しかし、腕の痛さで顔をしかめる。
『杏子ちゃん、少し休もう。』
声の主はリーダーだった。
『そんな大袈裟な…』
『ダメだっ!そんな状態で満足出来る作品が作れると思ってるのかっ!?それに、他の人達にも迷惑かかるだろっ!!』
初めて聞いたリーダーの怒鳴り声。
『は…はい…すいません…』
結局、私はリーダーの言う通りにした。


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