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puppet title
【サイコ その他小説】

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puppet title-6


 無意識に血の匂いを嗅ぎわけていた。
 無自覚に誰かの殺意を感じていた。
 あの、妙な感覚の正体は、誰かが近くで、人を殺していると言うことを知らず知らずのうちに感じ取り、自分自身興奮していたと言うことか…
 殺人中毒?
 そんな言葉が、私の脳裏を掠めたが、それはどうだろう?違うはずだ。
 何故なら、私達は…少なくとも私は、殺人自体を目的にはしていない。
 殺人は、単に私の愛人たちを永遠にするための手段であって、目的ではない。
 あそこで殺人活動をしている、憎むべき私の復讐相手も、人間を芸術化するのが目的で殺人自体が目的ではないはず。 
「ふむ。殺人活動と言うのは間違っている気がするな。この考えだと。『人外的殺人活動』と言うのが正解かもしれないな」
 まあいいか、と一言つぶやき思考の別パターンに切り替える。あそこに富田へドロ一流がいるのはほぼ間違いない。
 「侵入するか、否か」
 一応身柄を拘束する道具……スタンガンは携帯してあるが、そもそも今日は復讐できたんだから身柄を拘束する必要もないし、とっとと殺してしまえばいい。いやしかし、さすがに死体をそのままにするのはどうだろうか?この町に限ってそこまでスピーディな捜査網が敷かれると思わないが、そんなぶっつけ本番の何の準備も無い状況での殺人では一抹の不安が残る。せめて車で行動すればよかった。そうすれば殺すなり気絶させるなりしてもトランクに乗せて処理すれば、ぜんぜん何の心配もせずに事が運べるのに。なんて無いものねだりをしても仕方が無い。でも肩に担いで家に運んで家に運ぶなんてのは嫌だ。あんな富田クソオタ一流を担いだら変態がうつるし、重いし、何より目撃者が出る。繰り返すがこの町は端から見たら地獄絵図そのものなのに、町の人間がめっちゃ呑気でお気楽なのだ。何の恐怖も抱いてない。きっとこの時間でもちょっとコンビニまで行くような輩は沢山いるはず。そんな中重たい人間を背負ってたら絶対に目撃者が出る。絶対!やっぱり今日はやめておこうかとも考えるが、私は富田公衆便所一流の自宅に電話を入れているのだ。きっと警戒されるに違いない。じゃあどうするよ?学校の中で隠蔽工作でもするか?それはどうだろういい考えのように思えるが…しかし私はいまスタンガンしか手元に無い。どこかに埋めるならスコップがいるし、細切れにしてトイレに流すなら肉切り包丁が必要だ。ではその道具を何処から仕入れればいいのか?ていうか校内に入るのはどうなんだろう?学校のなかは富田三年寝太郎一流の庭になっているに間違いない。私が私の自宅で人形を作るのは、安心できるから、と言う理由と同時に、私のテリトリーの中では私が一番強いから、という理由が存在する。地の利、とかそんなことを言うわけではないが私が私のために作った空間だからそこでの戦い方は私が一番よくわかると言うことなのだ。それは富田こそ泥一流にも適用できる気がする。なんせ美術室を独占しているのだから、美術室にどんな仕掛けを施しているかは想像するに易い。あーもー!じゃどうするんだよ?やっぱり今日は諦めるか?うん、それがいいよ。きっとあの富田ホームレス一流は見知らぬ人から電話がかかってきたってそんなに警戒できるほど頭のいい奴じゃないに決まってるよそうだよそうだよそうに決まってるそうとしか考えられないよ………駄目だ!なんて私は自己暗示の下手な人間なのだ!くそー、今日の私はどうかしているぞやっぱり!どうでもいいところで焦ったり、おかしい!クソ!ほんとに手間がかかる奴だなあ富田血液がションベン色一流は!うーん…どうするのが最善の手なんだろうか?やはり無理はしたくないのだけど…でも目撃者とかいたとしてもほんとに私は捕まるのだろうか?いや、そりゃあ警察屋さんも急がしいと思うけど、時間の問題だろう。本当に?本当にそう思ってる?……いや。いや、何を考えているのだ私は。それはいくらなんでもなめ過ぎだろう。警察を。本来私はもっと慎重であるべきなのだ。だったらぶっつけでやっても案外警察の目を欺くくらいの巧妙に事を運べないだろうか?うーん、どうだろうか?慎重ということと、巧妙に事を運ぶと言うのは似て非なるものなのだが、私は頭の回転の常人の非ではないからなぁ…何とかならないこともなさそうなんだけどなぁ…


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