投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

puppet title
【サイコ その他小説】

puppet titleの最初へ puppet title 12 puppet title 14 puppet titleの最後へ

puppet title-13


 嫌だ!
 嫌だ嫌だ!
 言わないでくれ!
 知らさないでくれ!
 教えないでくれ!
 伝えないでくれ!
 分かりたくないんだ!
 理解したくないんだ!
 『殺人鬼』は私の天使を指してこう言う。
「ほら、この、ゴミ」 
「うわああああああああああっ!」
 私は催涙スプレーを『殺人鬼』の顔面に吹き付ける!
「わぁ」
 効いた!『殺人鬼』は目を押さえて蹲った。
 殺せる!!
 近くにあるメスを引っつかんで『殺人鬼』の頭にメスを振り下ろす!
 振り下ろした!
 振り、下ろした…?
 感覚が、無くなっていた。
 右腕が、無くなっていた。
「いやだなぁ、『死体コレクター』さんは。視界を殺したくらいで、」
     僕を殺したなんて思わないで下さい
 左腕が無くなっていた。
 右足が無くなっていた。
 左足が無くなっていた。
 胴体が右半分無くなっていた。
 顔が右半分無くなっていた。
 残った半分の胴体と顔は二つに両断されていた。
 心臓が抉り出された。
 もちろん意識は、とうのとっくに無くなっていた。
 

 私は死体を集めていたわけでも、ゴミを集めていたわけではないのだ。


「全く、視界を潰されるとは思ってなかった。もしあのまま逃走を始めたら、きっと捕まえられなかっただろうな」
 『殺人鬼』は人間離れした聴覚と嗅覚と触覚と方向感覚により、どうにか洗面台を見つけ出し、顔を洗って、勝手にタオルを借りて、顔をごしごし擦っている。
「うーん、やっぱり嵐間町近辺が一番『人外』が多いかな。離れてみて、分かったけど」
 タオルは元通りに広げてタオル掛けに戻す。
「うーん、しかしまた外れだったな。でもまあ血の臭いがぷんぷんするところにはたいてい『人外』がいるし、慌てることはないんだろうけど」
 『殺人鬼』はちゃんと玄関のドアから出て、夜の冷たい空気を吸う。
「あれ?今日の夜は暖かいな。まあ、3月も末だし。いくら春が遅いって言っても、そろそろ暖かくなってくるか」
 そして『殺人鬼』は夜を纏い、血の臭いがする場所へ向かう。
「あーあ、一体何処にいるのかな?『観察日記』の作者は」
 


puppet titleの最初へ puppet title 12 puppet title 14 puppet titleの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前