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二兎追う方法、教えます
【学園物 官能小説】

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誘う兎-3

 あたしのも……? のもってのは、何だ。まさか。
 ハァ……と悩ましげな溜息がかすかに俺まで聞こえてきた。
 と同時に、ヨウコは俺の左手をとって、自分の太ももの上に置いた。
 柔らかく肉感のあるなんとも言えない感触。わずかに力を入れると、彼女の柔らかくもしなやかな肉が俺の掌に吸い付くような気さえした。
 だが、それ以上の事を、俺はする事ができない。これ以上、どうしろというのか。
 
『もっと、奥のほう』

 ヨウコは俺の手を受け入れやすいように、足を広げて見せた。
 奥って、もうこれより奥は……。ヨウコが少し体を揺さぶって、俺に催促しているようだ。
 
『焦らさないで、はやく』

 字の形が、少しづつ乱雑になっているのは、ヨウコの気が急いているからだろうか。
 誰かが教師に指名されて、教科書を読まされている。
 こんな時に、俺は……少しづつ、掌を太ももの奥に動かしていく。
 なにか、掌のどこかが、ヨウコのフサフサしたものと、ぐにっとした柔肉に触れた。
 
「んっ」

 ヨウコが手を口に当てて、呻いた。
 今、俺が触れているものは……生徒会室で俺が見た、アレなのか。
 という事は、つまり、ヨウコは下着を履いていない……?
 指で茂みの中を掻き分けると、一部感触の違う場所があった。

「んぐ」

 ヨウコは眉間に皺を作って、シャーペンを噛んでいる。
 知識としては、知っている。この場所は、たぶん、女の急所らしい部位だ。
 指先でコリコリと撫でるように転がしてみる。ヨウコの息が、明らかに荒くなっていた。
 俺の興奮の度合いもピークに近い。うっかりすると、授業中という事を忘れそうになる。
 ヨウコも俺も、わずかに残った理性にしがみつきながら、危険なコミュニケーションを愉しんでしまっていた。

「……挿れて、指」

 ヨウコはかすかな小声で俺に伝える。もう、字を書く余裕もないのだろうか。
 でも、挿れるって……。
 そう思った瞬間に、ヨウコは腰を動かして、俺の指の場所を調節したようだ。
 もう一度、挿れて、とヨウコが口を動かした。
 中指が粘膜らしき部分に触れている。指を進めると、その粘膜に吸い込まれていく感じがした。

「んっ、んん……」

 じんわりと生暖かい何かに包まれた指を、ゆっくりと動かした。
 目に見えない分、その感触が指にやけにリアルに伝わってくる。
 動かすたびに、指に粘液が絡み付いて、肉の襞が吸い付いてくる感じがする。
 ヨウコの顔を見た。手で口を押さえながら、指が往復するたびに体をビクリと揺さぶっていた。
 何度か往復させると、不意にヨウコが俺の手を掴んで、動きを止めた。
 そのまま彼女の内部から指を抜いて、俺の左手は久しぶりに机の上に戻ってきた。
 指先にヨウコの中の体温と柔らかさの感覚がまだ残っている。
 もう少し、あの感触を愉しみたかった気がした。

『これ以上すると、イッちゃうから。あとは、放課後』

 ヨウコが顔を赤くしながら、妖しく微笑んでいる。
 放課後……。間もなく、授業終了のチャイムが鳴り始めた。授業のことなんか頭には無かった。
 我に返り、周りをふと見回す。
 後方に座っている人間は、だいたい教科書を開けたまま眠ってしまっている。
 俺は、ホッと、ひとつ息を吐いた。


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