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悪戯〜いたずら〜
【コメディ 官能小説】

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ボーイミーツガール・3-2


 横幅の広いぽっちゃりさんタイプが3人と、普通の体型の女生徒が3人、その内のひとりは蔵人先輩だった。ボクの方に茶目っ気を含んだ視線を送りながら、ペロッと短く舌を出して片目を瞑る。か、可愛い……。さすがは師匠。表情や仕草は言うに及ばず、足の踏み出し方や腰のくねらせ方に至るまで、ドコをとっても女子高生にしか見えない。

「みんな、ヨロシクね」

 エリーちゃんが一同を見渡しながら声をかける。一斉に頷いて各自それぞれの配置につくと、一団となって階上のプラットホームへ向かった。

「あなた、また太ったんじゃない?」
「やーね、そんなことないわよ」
「わたしは、コレでいいの。だって……」
「またぁ、ナツコったら!」
「うるさいわね、もぉ!」

 あはははは!! 下校途中の駅のホームでふざけ合っている女子高生グループ、を演じながら電車を待つボクたち8人。これだけの人数が居れば、ボクと蔵人先輩がひと言も話していなくたって全く目立たない。エリーちゃんの指揮は、ホントに完璧だった。

 しばらくすると、定刻ピッタリに電車がホームへ入って来た。エリーちゃんが白線の手前で先頭に立って、その後ろにボクが、周りを囲むようにあとの6人が隊形を整え直して乗降扉が開くのを待ち構える。7両編成の列車の前から2番目、扉のすぐ左側の座席を取り外したスペースが広く空いている車両が、ボクたちの “お目当て” だった。
 電車がゆっくりと速度を落とし、乗降扉が目の前まで迫って来る。空きスペースには、どうやら誰も乗っていないようだ。ここはターミナル駅で、乗り換えをする客は電車の進行方向の一番後ろ近くへ固まっていることが多い。夕方のラッシュアワーまでにはまだ時間があるので、お目当てのスペースに誰もいない確率が高いことはわかっていた(そういう段取りを組むのは、蔵人先輩お得意の芸当だった)。

 プシュー。お馴染みの音を立てて乗降扉が開く。そこから降りて来る客も、後ろのホームに並んでいる客もいなかったので、エリーちゃん以下のボクたち一行は、隊形を少しも乱さずに車両へ乗り込むことが出来た。上手いことに、すぐ前にある3人がけのシートが空いている。福岡さんを除くぽっちゃり娘2人がそこへなだれ込み、席を埋めた。

 ボクは、空きスペースの隅へ窓側を向いて張りついた。その背中に、胸が触れるか触れないかスレスレの隙間を残してエリーちゃんが立ち、帆布製の手提げ袋から、黒々とした鈍い光を表面にテカらせている “妖しい性具” を取り出した。
 続いて、乗降扉の方向からボクたちのからだを完全に隠せる位置に、ふくよか(福岡)ナツコさんが見張り役の蔵人先輩と背中合わせになって、残る2人の普通の体格の女生徒が通路側からの視界を遮断できるように学生カバンを構え、吊革を掴んで向かい合った。

(解説しよう。 “妖しい性具” というのは、いわゆる “双頭ディルド” のことである。せいじは未だウブで知らないのだが、エリーが伝手に頼んで作らせた特注品で、女性器挿入用とアナル刺激用、それぞれ異なる形状の先端部分を持つ “優れモノ” なのだ・作者注)

「…準備を急いで…」

 今回は、女子寮の最寄り駅に列車が着くまで――約20分くらい――の短い時間しかないので、例の “妖しい性具” の先端部分をあらかじめローション(食品添加物製)に浸して持って来ているらしい。蔵人先輩に聞いたところによると、そういう屋外プレイのときに持ち運ぶための専用ケースがあるんだそうだ(今の今まで言うのを忘れてたけど、ボクとエリーちゃんは、公園の広場で待ち合わせる前からずっと “ノーパン” で過ごして来てるんだよね。これも時間節約のための下準備のひとつ)。
 ボクは、ブレザーのポケットに忍ばせていたローションの小瓶を取り出し、赤いチェック柄のスカートの裾から手を入れると、自分のお尻の穴の外側と内側に、ソレをたっぷりと塗りつけていった。ボクは車両のガラス窓の方を向いているから見えないけど、エリーちゃんも同じような行為をしているんだと思うと、すぐにからだが熱くなってきた。
 互いの距離がゼロに近くなり、エリーちゃんが愛用している香水――桃の実と薔薇の花がミックスされたような甘く爽やかな匂い――が濃厚に香って頭がクラクラする。


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