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新・ある季節の物語
【SM 官能小説】

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(冬編)-4

「…ああっ…うっ、うっ…」

快感に充たされ始めた男が欲するままに、私は彼の頬をハイヒールの先端で優しくなぞる。
うっとりと潤んだ瞳をしたその男は、唇の端にかすかな唾液を滲ませながら、濃紺のブリーフ
のなかのペニスを強ばらせているのがわかった。


そして、彼は、欲情に駆られるように開いた私の太腿の内側を愛撫し、黒いショーツに包まれ
た秘丘の籠もった蜜臭を求めるように私の股間に顔を埋めるのだった。

私は、彼の頬を腿のあいだに挟み込むようにして、少しずつ絞めていく…。苦しげに歪む彼の
輪郭は、まるであの頃のイマムラの記憶をゆるやかに崩していくような気がした。

でも、喘ぎながらもその快感に浸る男の顔は、色めいた濃い匂いを立ち昇らせ、あのころ私が
イマムラに感じた性を微かに甦らせる。


「…あなたは、私に何を望み、私はあなたに何を望んでいるのかしら…」

まるで独り言のように呟いた私の不意の言葉に、男は躊躇ったように目を潤ませる。

イマムラと別れるときの最後のプレイのなかで、私は目の前に跪いたイマムラに同じ言葉を
吐いたような気がする。お互いが望んでいるものの先にあるものが、愛だと私たちはほんとう
に思っていたのだろうか…。


プレイルームの空調機から流れてくる暖気の噎せるような匂いが、淡い灯りに包まれた私と
男を淫猥な欲情へと誘っていく。

私が吐いた命令で、男はゆっくり立ち上がり、濃紺のブリーフを脱ぎ捨てる。繁った陰毛を
絡めた彼の赤茶けたペニスは、雁首のえぐれた肉縁に、ねっとりとした粘液を溜め、ほどよい
堅さを含んでいた。

彼には、妻も子供もいるのだろうか…帰っていくところで、決してこんなふうに自分の性器を
晒すことがないこの男は、まるで無防備な赤子のように私の前に性器を露わにしている。

そんな彼に、私は、切なくなるような苛立ちを感じたとき、なぜか鞭を強く握りしめた。


久しぶりに手にした黒革の乗馬鞭の先端で、私は男の頬と首筋をなぞり、その小粒の豆のよう
な乳首を指先で擦る。彼はその淫靡な行為だけで悩ましくその体をくねらせ、小さな嗚咽を
洩らした。

私は、そんな自分の行為に色褪せた自分の過去を感じながらも、手にした鞭の先端で男の肌を、
ゆらゆらとなぞりあげ、自分を追い込んでいくように嗜虐心を昂ぶらせていく。


「…早く…早く、欲しい…」

咽喉を鳴らし、鞭の痛みを欲しがる男を焦らすのには、この乗馬鞭の先端の淫靡さほど適した
ものはない。すでに沸々と煮えたぎるように堅く勃起したペニスの剥けた亀頭を鞭の先端で
擽りあげ、擦り、縮み込んだ垂れ袋の淫珠を厭らしく撫でる。

男は私の言葉に従い、床に四つん這いにひれ伏すと、高々と臀部を突き出した。私は男の尻肌
を撫でるように乗馬鞭の先端を這わせる。


そして、ゆっくりと乗馬鞭を振り上げた…。



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