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お日様ジャッジ
【その他 官能小説】

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「なあ〜夕也〜」

 俺はベットの上で枕を抱いて、横で本を読んでいる双子の兄ちゃんに声をかけた。

 俺らは同じアパートに住んでいる。
 別々の部屋を借りるより安上がりだし、ダブルベットなら女の子を連れ込み易い。
 まあ、その場合あぶれた方が部屋を追い出されるワケだが、それはお互い様という事で……。

 そんなワケで俺らは今、同じベットの上で話をしている。

「何?」

 夕也は眼鏡を外して俺の方に視線を移した。

「夕也は朝陽をどう思う?」

 先日、酔った勢いで2人して(無理矢理)抱いた女……散々鳴かせてたっぷり愛してやったにも関わらず、どっちもタイプじゃないと俺らを切り離した女、朝陽。

「朝陽?そうだな……下品な女だと思うけど?」

 下品って……コイツ、朝陽に『硬長チンポ』って言われたの根に持ってんのか?褒め言葉だと思うけどな。

「僕は女の子が普通に『チンポ』という言葉を使うのを認めない。勿論、恥ずかしがる女性を調教する事によって、卑猥な言葉をその美しい唇から……うんぬんかんぬん」

 夕也が調教についてウンチクを語り出したので、俺はそれを聞き流しながら枕に顔を埋めて自分の考えにふける。

 普通、あそこまで可愛いがられたらどっちかになびくとか、同時に2人から愛されてると思い込んだりとかしねぇ?
 なのにあの女は何も変わらず、今まで通り。
 多少、色目を使ってくるかと思いきや全く変化無し。
 今まで狙った女は必ず落としてきた、自他共に認めるプレイボーイとしてはプライドが傷つくのだ。

「……陽太は朝陽が気になるんだ?」

 俺が全く話を聞いてないのに気付いた夕也が、パタンと本を閉じた。

「気になる……つうか、アイツの態度が気に入らないっつうか」

 少しはなびけっつうの、顔合わせた時赤くなるとか、戸惑うとかして見せろっつうの。
 抱く前と何も変わってねぇじゃん……面白くねぇ。

「ははっ……確かに今までの女の子とは違うねえ……厄介なのに惚れたね、陽太」

 ………………ん?

「惚れた?」

「違う?抱いた後に何も進展が無いから苛ついてるんだろ?」

 惚れた……好きになったって事か?

 そう思った瞬間、湯気が出る程に顔が赤くなる。

「……自覚……なかったんだ……」

 夕也の呆れた声……そ、そうか……そうなのか……。
 なんだか妙にスッキリした俺は、朝陽をどうやって口説き落とそうか思案するのだった。



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