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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-2



拓斗との会話を思い出しながら、祖母の反応を待つ。
祖母は真顔で言った。

「アンタね・・。今受験しなかったら、高校受験大変なのよ?それなら今受験して楽したほうがいいじゃない」
「・・・そんな楽苦楽で、中学高校選びたくないよ。第一、中学までは義務教育なんだから、そのまま上がった方が良いよ。メンバーもそんなに変わんないし」

珍しく、自分の意見を言った瑞稀に祖母は驚いた。
いつもなら断ったとしても、こんなことまでは言わない。大抵、結果の言葉だけ繰り返して粘り勝ちをしていくのが瑞稀だ。
あの、怪我をしてから、瑞稀は少しずつ自分の意見を言うようになった。
恐らく、拓斗が関係しているんだろうと考えた。

「それだったら、友達増えないでしょ。アンタ、ただでさえ作りにくいんだから。最初から受験して一人違う所行って友達作った方がいいんじゃない?」
「それで作れるって保証ないじゃん。行けるんだから附属の中学で良いじゃん。何でわざわざ受験なの?」
「アンタの将来の為よ。それ以外何があるの」
「それ、高校受験だけの為でしょ」

ため息をついた瑞稀はパンフレットを手にとって広げた。
“絽楽学園(りょがくがくえん)”
伝統溢れる中学高等学校で、部活動は特に目立った傾向が無い。学力は、英語が都内10位に入っている程有名だ。外国人であるネイチャーの先生を多く取り入れているとパンフレットには記してある。
校舎はリフォームしたばかりらしく、少し新しい。
中学棟、高校棟に別れており境目になるよう、その真ん中に大きめのグラウンドと管理棟が設置されている。
パラパラと、めくって見るが、特別惹かれることは書いていなかった。
瑞稀はパンフレットを置いて祖母を見る。

「一通り見たけど・・、高校にそのまま上がれることしかメリットが無い気がするんだけど。それに、吹奏楽もあまり目立った事してなさそうだし」

瑞稀はパンフレットの裏表紙に書いてある部活動表を指で叩く。
そこには、色々な部活の名があり、これまでに取った賞なども書いてあったが、瑞稀の言ったとおり、吹奏楽部の欄には何も書いてなかった。



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