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カラスの巣(短編小説)
【熟女/人妻 官能小説】

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第9話 玲子の思い-1

「そうだったね・・・僕はママと約束してんだよね。出世したら、自分の部下をママのお店に連れて来るって・・・・・・。でも・・・無理かも・・・無理かもしんないよママ・・・・・・」

その小指の動作は、陽一にも玲子との初めての出会いを思い出させていた。
だが皮肉にも、気絶した玲子の耳には届いてなかった。
それでも、玲子の緩んだ口元だけが、思い出してくれた陽一の事を、喜んでるように見えていた。

「ごめんよママ・・・あんなに応援してくれたのに・・・期待に答えられなくてごめんよママ・・・・・・。それでも・・・それでもママは僕の為に笑顔を見せてくれるんだね。」

陽一の怒りはおさまり、素に戻ったかのように見えたが、その姿は病的でもあり、まるで人形にでも会話をしている様に、気を失った玲子に独り言を話していた。
やがて陽一は、玲子の隣に寝て腕枕をすると、その髪を何度も撫でながら会話した。

「ふふ・・・ママ綺麗だよ・・・本当に綺麗だよ。ママは、僕の夏奈とは全然違う・・・温かいし・・・柔らかいし・・・それに優しい・・・・・」

夏奈とは、陽一が愛用しているダッチワイフの名前だった。
陽一は、そのダッチワイフと比べるかのように、玲子の身体の脇を何度も擦っていた。
その目は正気を失い、狂気をも漂わせていた。

「ねえママ・・・僕は、いつも夏奈に慰めてもらってるんだよ・・・ママは嫉妬しないの?。だって・・・僕は、ママに嫉妬してるんだよ?。ママは・・・いつも他の人を慰めてるんだろ?・・・この綺麗な身体で・・・・・・」

「う・・・ううん」

陽一の手つきに、玲子は微かに反応して、腰つきがゆっくりねじれる様に動いた。
気を失った玲子を前にしても、その光景が悩ましく映り、陽一はみなぎり出していた。
そのみなぎりのはけ口が、例え弱者であろうとも、今の陽一には構わなかった。
もう、人を敬う道徳など微塵も無く、ただ私利私欲に駆られた異常人格者でしかなかった。

「見て・・・ママのせいで僕のはこんなになってるんだよ?。ほら・・・触ってごらん・・・・・・」

陽一は、玲子の右手首を持つと、自分のみなぎりへと誘った。
ピクリとも動かない手の指先で、みなぎりの筋を案内するように、何度も往復させた。

「はあ・・・はあ・・・ママ気持ち良いよ・・・ママの感触が気持ち良いよ。はあ・・・はあ・・・どうして?・・・どうして僕だけ駄目なんだよ?・・・みんなにしてるんだろ?。僕だって・・・僕だってママで気持ち良くなりたいんだよ?」

しばらくして行為を止めると、手つきを玲子のスリットに移した。

「ママ・・・ママのこの綺麗な脚で、何人者の人が誘惑されたんだよね?。僕もそう・・・ママの脚が綺麗だから、もう我慢できないんだ。お願い・・・だから今日だけ・・・今日だけ僕の物になってよ・・・・・。その後は・・・ママの前から消えるから・・・・・・」

スリットをたくし上げて、玲子の太ももを往復させながらも、表情は神妙な面持ちだった。
まるで、価値ある陶芸品でも触る眼差しだった。
やがて、手つきを胸元に移すと、陽一は玲子にまたがり四つん這いになった。

「それじゃあ・・・僕と最初で最後の思い出を作って下さい。ママと・・・ママと一緒に迎えられたら本望です。ママ・・・ママ・・・本当にこれが最後なんだよ・・・ううっ・・・・・・」

情緒不安定を地で行く陽一の表情は、悲しみを伺わせて再び涙を見せた。
もう、全てにおいて壊れかけており、狂いだしていた。
その中で、玲子に対する思いだけが、唯一の救いとなって陽一の精神を支えていた。
その根源となる玲子に、陽一は至福を求めて、答えを探ろうとしていた。

「ママ・・・ごめんね。僕の最後のわがままを許してね」

陽一は目を瞑り、玲子の胸元のボタンに手を掛けた。
その時、不意に目じりから涙がこぼれて、気を失った玲子の目元に落ちた瞬間だった。

ブチッ!・・・・・・

バシッ!・・・・・・

陽一が、胸元のボタンを引きちぎると同時に、間髪を容れずに頬に痛みが走った。
なぜか、目の前には手を振りかざした玲子がおり、陽一はその反動で横を向いていた。
玲子は、目元に落ちた涙で目を覚まして、咄嗟の判断で陽一の頬を叩いていた。
今までの状況を考えると、暴力的な見返りは必然的だが、それを返せずに呆然としているほど陽一の心は弱っていた。
その心の隙を突いたように、玲子のビンタは効果的に入った。

「あんた!・・・自分の生き方が上手くいってないからって、人を恨んだりして恥ずかしくないの!?。見てみなさいよ!・・・あんたの、その情けない姿・・・寂しいからって、こんなおばさんに慰めてもらおうとしてるのよ!?」

陽一の向いた方には鏡台があり、裸で玲子に四つん這いになる姿がちょうど写っていた。

「陽一さん・・・いい加減目を覚ましたらどうなの?」

玲子の口調は宥める様になり、落ち着きを取り戻した。
しばらくして、陽一は玲子から離れて、反省の色を伺わせるように目を瞑りながらベッドに正座をした。
その目の前では、はだけそうになるチャイナドレスを手で覆い隠す玲子が、脚を横に崩して座っていた。

「ごめんなさい・・・誘ったのは私の方だけど、こんな形になってしまって・・・・・・」

陽一は、相変わらず正座をしたままだが、気持ちの落ち込みと一緒にみなぎりも引いていていた。

「そりゃあ・・・私だって女ですもの、こんな年増でも陽一さんが構わないなら・・・良いと思ってたの・・・・・。本当・・・私って馬鹿よね・・・あのまま陽一さんに抱いてもらえれば、こんな事にはならなかったのに・・・・・・。仕事柄、つい癖になってたのよね、人の余計な所まで立ち入っちゃうのが・・・・・・」


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