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カラスの巣(短編小説)
【熟女/人妻 官能小説】

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第4話 陽一の告白-2

「ふふ・・・良いのよ。実はね、何となく分かっていたわ」

陽一は、俯いた顔を上げると、目を見開き驚いた。
玲子に悟られないようにと、十分に警戒していが全て見透かされていたのだ。
本来なら、最後まで打ち明けずに、玲子を抱こうとしていた。
行為の最中に、未熟さ故に悟られるのは覚悟はしていたが、その前に露呈していた事には驚きを隠せなかった。

「どうしてですか!?・・・どうして知ってるんですか!?。僕は誰にも打ち明けた事が無いはず。もちろん部長にだって・・・・・」

「まあ、女の勘かしら・・・・・・と言いたいとこだけど、陽一さんを見ればすぐ分かる事よ」

陽一は、鏡に映る自分の姿を、注意深く何度も見まわしていた。

「もう鈍感ね、顔になんて書いてないわよ。良く考えてみて、今の陽一さんが、何でここに居るか・・・・・・」

「それは・・・飲み過ぎて、ママに運ばれて・・・・・・」

「そうよ。その原因を作ったのが、今日の川端さんかしら」

「部長が?」

「ええ・・・だって今日の川端さん凄かったでしょう?、女性のお話ばかりしてて・・・・・・。その度に、陽一さんのグラスが空になるんですもの、何となくピンときたの。苦手なんでしょう?女性のお話・・・・・・」

玲子の憶測は単純だが、紛れもない事実だった。
陽一は、見透かされてるとは知らずに、必死に酔いで誤魔化した自分が馬鹿らしくも見え恥じた。

「まあ・・・苦手と言うか、僕の場合、女性に関しては面白みも無い話しかありませんからね。それに、バレるのが怖かったんです、こんな歳ですから・・・・・・。部長はもちろんですけど、ママとかにも知られたらやっぱり恥ずかしいです」

陽一は、また俯くと、今度は両手を握りしめて、歯を食い縛る様に目を瞑った。
羞恥心がこみ上げてくるほどの、打ち明け話だった。

「陽一さん・・・恥じる事なんて無いわ。あなたが歩んできた道ですもの、胸を張りなさいよ。ただ、運が無かっただけだから心配しないで・・・・・・。それに、男女の出会いなんてそこら辺に転がってる物よ。それを陽一さんは、ただ逃がしてるだけ・・・・・今流行りの草食男子系かしらね」

陽一は、玲子の言葉に救われていた。
例え、店と客と言う立場の垣根があったとしても、偽りの無い素の言葉だった。
嘲笑的に思われるかと覚悟していただけに、玲子の優しさが浮き彫りになり陽一の心を捉えていた。
陽一は、ますます玲子に惹かれていった

「それは、ちょっと綺麗過ぎます。僕の場合、根本的に女性に好かれない、何かオーラみたいな物があるんでしょう・・・・・ふふ」

陽一は、歯を食いしばるのを止めて、苦笑いを浮かべて答えた。
その時、鏡越しの玲子に視線を向けたが、俯いていた。

「駄目よ陽一さん、自分をそんなに悪く言っちゃ・・・・・・。それに、そんなオーラなんて、私には微塵も感じられないわよ。陽一さんは、優しくてただ真面目なだけ・・・・・・だから真面目に恋愛をしようとしてるのよ」

俯きながら話していた玲子だが、肩まで長い髪を耳にかき上げて、突如と陽一に視線を合わせた。

「女の人はね・・・ただ抱かれたい時もあるの」


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