紀子の場合-3
はぁっ。今頃だったらベッドの上で愛し合っている予定だったのに。
時計を見ればすでに10時を過ぎていた。
夫はまだ帰ってこないだろう。
ベッドに横になって目を閉じる。
しんと静まり返る部屋の中。時計の音がやけに大きく聞こえた。
なかなか寝付けずベッドの中で寝がえりを打った時。
「あっ・・・ダメぇ・・・お願いっ・・・もうやめてっ・・・」
突然聞こえた喘ぎ声に思わず目を開けた。
声は壁の向こうから聞こえる。
お隣さんだ。
空き家だったお隣に人が越してきたのは2週間前。
ご丁寧に有名デパートのお菓子を持って挨拶に来てくれた。
とても感じが良く、礼儀正しい人で、まさに絵にかいたような好青年。
結婚しているようには見えなかったけど、やっぱり奥さんがいたのね。そうよね。こんな広いマンションに1人で住むわけないわよね。
「何だよ?よがり狂ってるくせに。なあ、もっとしてほしいんだろ?」
「ああ!そこばっか責めちゃいやぁ・・・激しくしないで・・・おかしくなっちゃう!!」
いけないと思いながらも思わず聞き耳を立てた。
「じゃあ、これならいいのか?」
「ひやぁん!!そんなっ!ダメぇぇ!そんなに激しく吸わないでぇ!!」
ああ。そんなに叫ぶほど気持ちがいいんだ。
吸われてるってどこを吸われてるんだろう?
やっぱり乳首?
そういえば夫に乳首なんて吸われたことない。
そっと乳首に触った。
触れただけなのに乳首は一瞬で固くなる。
少しだけのつもり。だけど久しぶりの感覚に体が火照っていく。
「もっと声落とせよ。隣に聞こえるだろ?それともわざときかせてるのか?」
「ちがうっ・・・」
(ああ・・・触ってるだけなのに・・・)
パジャマのボタンを外し、胸をはだける。我慢できず、私は胸を揉み始めた。
下から上にゆっくりと揉んだ後、コリコリになった乳首をキュッとつまんだ。
(ん・・・さわるだけじゃいや・・・私のもしゃぶって・・・)
そのまま乳首をコリコリとつまみながら、時々爪を立てる。
痺れるような痛みに、甘い吐息が漏れる。
(はあっ)
「お願いっ・・・あん!それいやぁっ!奥、そんなにしたらイッちゃうのぉ!!」
ズボンの中に手を入れてパンツから割れ目をそっとなぞる。
少しだけ濡れているそこに指を沿わせて上下にゆっくりと触る。
徐々にショーツにシミが出来るのがわかる。
我慢できなくなってショーツの中に手を入れた。
(っ!!)
1人でするのもご無沙汰だったけど、こんなに濡れてるなんて。
びくりと体が跳ねる。
動かすたびにショーツにできたシミが大きくなっていくのが分かる。