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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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Re:〜前編〜-13

 急いで城まで戻った2人は何食わぬ顔で宿舎に戻る。
 アースは元々休みだし、キャラは城で働いているワケではないので何をしても自由なのだが、ゼビア側はキャラをファンの姫として扱うのであまり長い時間行方不明になると捜索されてしまうのだ。

「大丈夫そうだな」

 一応、出掛ける報告はしておいたので気にされなかった様だ。

「後、1時間遅かったらヤバかったかもね」

 キャラは外套を脱いでハンガーにかけ、アースのジャケットを受け取ると同じ様にかける。

「キアルリア」

「ん?」

 アースはキャラの後ろから近づいて彼女の腰を抱いた。

「後で覚えとけよっての覚えてっか?」

 キャラはギクリと躰を強張らせて、アースの腕の中でゆっくりと振り向く。

「何の事かしら?」

「だぁら、ざぁとらしいってんだよ!」

「きゃあっ!」

 抱いていた腰を持ち上げたアースに、驚いたキャラは慌ててしがみついた。
 至近距離で顔を合わせた2人は、笑いながら唇を重ねる。

「でも、冗談抜きで女らしくなってきたよなぁ」

 チュッチュッと音を立ててキスをしながらアースは呟いた。

「そう?」

「ほら、それも。昔は『そうか?』だったし、驚いた時も『うわっ』だったのが、今は『きゃあっ』って言うしな」

 自分の言動を振り返ったキャラはじわっと赤くなる。
 言われて見ればそうかもしれない。

「変?」

「いや?むしろ可愛い」

 アースは愛しそうにキャラの首筋に口付けた。
 益々赤くなったキャラだったが嬉しそうにクスクス笑う。

 この男はいつもそうだ……出逢った時から……その後、何があってもあるがままの自分を受け入れて好きになってくれた。
 これから先も、彼は変わらず自分を愛してくれると信じられる。

「アース」

「なんだ?」

 キャラはアースの首に腕を回して彼を見つめた。

「好き」

 キャラの言葉に今度はアースの顔が赤くなる。

「改めて言われると照れるな……」

 照れ隠しにキャラを強く抱いて再び首筋にキスをするアースもまた、嬉しそうに笑った。


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