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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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Re:〜前編〜-12

「解!!」

 緑色に光っていた魔法陣の模様を金色の光がなぞって浸食していく。

「何?!」

 敵の魔法使いが慌てて魔法陣を復活させようと地面に手を着いたのが見えた……だが……。

「遅い」

ガツン

 魔法陣解除と同時に木の上から飛び降りたキャラが、体重をかけて魔法使いの後頭部に膝を叩き込む。

「魔法使いは俺の相手だっつーの!」

「早い者勝ち!」

 声もなく地面に伸びた魔法使いを踏みつけ、キャラは腕を大きく振った。
 その手からキラキラと月の光を跳ね返して、くるくる回る物が数個飛び出る。

「うをっ?!」

 自分にまで向かってくる武器……チャクラムを見て、アースは慌てて地面に伏せてそれを避けた。
 チャクラムは茫然として立ち尽くしている残りの敵のアキレス腱を次々と切り裂いていく。

「ぎゃっ」

「ぐあぁっ」

 次々と地面に倒れた敵を確認し、戻ってきたチャクラム達を指で受け止めたキャラはそれをくるくる回しながらふぅっと息を吐いた。

「結局、1人でやりやがった……」

 アースは不機嫌な顔でブツブツ文句を言いながら立ち上がり、服に着いた土を払う。
 正に、あっという間の出来事にモーガンはあんぐりと口を開けたままだ。

「んじゃ、俺ら帰るわ。後はよろしく」

 アースはシュタッと片手を挙げて挨拶をするとキャラの元へ行く。

「てめぇ、俺も狙っただろ?」

「まさか、偶然よ?」

「そのわざとらしい女言葉が全てを物語ってんだよ。後で覚えとけよ」

 ぎゃあぎゃあと言い合いをしながらゼビアの方に去っていく夫婦が居なくなると、残されたのは悶え苦しむスネーク一味と、ホロ付き馬車に乗ったままのモーガンと捕らえられた人達。

「本当に……何者なんだ……?あの2人……」

 ポツリと呟いたモーガンの声は、ホゥホゥと鳴くフクロウの声にかき消されたのであった。



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