投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

偽りのデッサン
【熟女/人妻 官能小説】

偽りのデッサンの最初へ 偽りのデッサン 69 偽りのデッサン 71 偽りのデッサンの最後へ

第36話 辿り着いた先へ・・・・・-1

やがて、睦美は切り出した。
その時、夕闇は消え、微かな月明かりだけが照らされていた。

「そろそろお別れね・・・・・。」

「そうですね・・・・・。」

二人は、天井を見上げたまま会話をしていた。
慶には、簡単な別れの言葉が重く圧し掛かり、別れを名残惜しむかのように、腕枕をしていた手を離して、そのまま指を絡ませるように睦美の手を握った。

「ねえ・・・慶は、答えが見付かった?・・・・・。」

「答えですか・・・ええ・・・見付かりました・・・・・。ただ・・・辿り着けなかっただけです・・・・・。」

「そう・・・・・。私も同じ感じかな・・・・・。」

「でも・・・いつかは辿り着けるはずです・・・・・。その時は、睦美さんのような人と一緒に・・・・・。」

「ふふ・・・言ってくれるわね・・・・・。でもいつか・・・私達また会えると思うわ・・・・・。その時は・・・あなたは睦美さんのような人と一緒になって、子供が出来て・・・そして・・・私はおばあさんになって、孫がいるかもね・・・・・。」

「ふふふ・・・かもしれませんね・・・・・。」

あれだけ泣いたはずの二人に、涙は無かった。
今までは、別れの雰囲気で泣いていただけで、実際近づくとあっけない物だと実感していた。
しかし、それは訪れるまでの束の間だけだった。
やがて睦美は、最後となる会話をしようと、慶の方に視線を送った。
慶は、それを月明かりの中でも気付き、睦美に視線を合わせた。

「もし・・・その子達が、男の子と女の子だったら・・・いつか一緒になれると良いわね・・・・・。」

「ええ・・・いつか一緒になれるはずです・・・きっと・・・・・。」

慶は睦美に近づくと、最後となる口づけを交わした。
その口づけを交わした睦美の目には涙が浮かび、薄らと頬を伝った。

二人の恋は終わりを告げた。
五十歳代を迎えたばかりの平凡な主婦と、二十歳の絵画に掛けた青年との、歳の差を越えた恋だった。
始まりは私利私欲からだが、そこには微かな愛が芽生えていた。
その愛を灯そうと二人は歩み寄ったが、そこにある『歳の差』の壁を崩す事は出来なかった。
あまりにもかけ離れ過ぎた為に、生まれた時代を怨むしかなかった。
それでも二人は、愛を共有していた。
その中で生まれた至福だけが、二人の絆だった。
しかし、絆の歯車はもろくも崩れ、幕を引く事でしか答えを見いだせなかった。
だが最後に、真の答えを探そうと、偽りをも脱ぎ棄て対峙するが、結局辿り着いたのは、始めの私利私欲だった。
それでも二人は、何かを見出していた。
これからその答えを探すべく、それぞれに帰るしかなかった。
遠い日の再会を誓いながら・・・・・・。

そして・・・二人の描いた偽りの線が一つになる事無く、この物語は幕を下ろした・・・・・・。








・・・・・・・・・・・・








・・・・・・・・・・・・








・・・・・睦美さん・・・・・辿り着けなかった答えを・・・・・これから一緒に探しに行きませんか?・・・・・・

・・・・・え?・・・・・辿り着けなかった答え?・・・・・

・・・・・ええ・・・・・辿り着けなかった答えです・・・・・そこには二人だけの最高の至福があるはずです・・・・・行きましょう・・・・・僕と一緒に・・・・・

・・・・・慶・・・・・


偽りのデッサンの最初へ 偽りのデッサン 69 偽りのデッサン 71 偽りのデッサンの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前