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偽りのデッサン
【熟女/人妻 官能小説】

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第33話 恥じらいの黄土色-2

果てて、ぐったりしてる様子の睦美に対して、慶は気を使った。
その睦美の姿はどこか艶があり、官能的にも見えた。

「大丈夫よ・・・私は、このままの方が良いの・・・慶の匂い・・・全てを感じていたいから・・・・・。それよりも・・・慶の方は大丈夫なの?・・・・・。」

睦美は、漂う異様な空気を感じて尋ねた。
それだけ部屋中は、二人の放つ物で支配されていた。

「僕も平気です・・・・・。睦美さんを感じていられるから、凄く居心地が良いですし・・・それに幸せです・・・・・。」

「なら良かった・・・・・。それじゃあ・・・今度は、慶の番ね・・・・・。」

睦美はそう言いながら、仰向けになる慶の反対に四つん這いになると、みなぎりに顔を近づけた。
そして、そのみなぎりの先にある、光るものを確認すると、指先を添えて糸を引かせた。
その光る糸に、若者ゆえのみなぎり溢れた物を感じると、睦美は至福の笑みを浮かべながら、陶酔するかのように指先で弄んだ。
しかしその時だった・・・・・。

『まだ・・・・・誰をも知らない・・・・・若い男の・・・・・物・・・・・。』

またもや睦美の脳裏に、今まで思い描いてきた情景が過るのだった。
全ては、慶と出会った時に、肌を交わす前から始まっていた。
もう戻る事の出来ない、若い男の泉に溺れていたのだ。
やがて、果てたばかりの睦美の身体に熱い物がみなぎると、表情は虚ろになり、手つきが大胆になっていた。

「うふ・・・慶の凄い・・・どんどん硬くなってくわ・・・・・どんどん・・・ど・・ん・・ど・・ん・・・ど・・・・・ん・・・・・ど・・・・・ん・・・・・。」

「はあ・・・はあ・・・はあ・・・・・。」

慶は、苦悶の表情を浮かべながら息が荒くなった。
一度は果ててるとは言え、それだけ睦美の手つきは格別だった。
やがて睦美は手つきを止めると、みなぎりに顔を近づけて・・・・・

『私の中で・・・・・包み込むように・・・・・受け止める・・・・・。』

・・・・・満足な表情で口に含んだ。
そして、そのまま口元を、我をも忘れたかのように往復させた。

・・・・・ジュポッ・・・ジュポッ・・・ジュポッ・・・・・

今の睦美には、品格溢れる姿は無く、ただ私欲に駆り立てられる、淫らな女でしかなかった。
慶が純朴な青年を脱ぎ棄てたように、睦美も家庭ある主婦を脱ぎ棄てていた。

「はあ・・・はあ・・・睦美さん・・・・・。」

慶は、悶絶する中でも、睦美から溢れ出る物を目にすると、股の間に顔を潜り込ませて、それを嗜んだ。
二人は正反対になり、これから繋がるお互いの物を、口で清めていた。
しばらく室内は、二人の息遣いと、清める音だけが、けたたましく響いていた。
その中で慶の舌使いは、睦美の拒む先へと走る時もあった。
一度は許した領域へども、愛しき人に嗜まれる行為に、恥辱的な快楽が、睦美の身体全体を襲うのだった。
睦美の口元は、その快楽に逃れるかのように、激しくなっていた。

「はあ・・・はあ・・・睦美さん・・・睦美さん!・・・もう!・・・・。」

最初に音を上げたのは、慶だった。
慶は頂点間際になると、睦美の顔から思わず腰を引いていた。
睦美もそれを察すると、すぐに慶のみなぎりから口元を離した。
さすがに、ここまできて、慶を果てらせる分けにはいかなかった。
しばらく二人は、視線を合わせる事無く、息を整えていた。

・・・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・・・

その二人だけの息遣いしか聞こえない静かなる部屋で、これから最後の儀式を迎えようと、お互い実感していた。
そう、肌を交わした時から、繋がりは一回きりと、お互い心に決めていたのだ。

やがて、その空気を割るかのように、睦美は立ち上がった。
しかし、慶に近づこうとはせずに、向かい側の窓際のベッドに向かった。
そして、ベッドに上がると、足を右横に崩して左手をベッドに付いて・・・・・

『そのベッドの上で・・・・・私は誘うように座り・・・・・視線を感じながら・・・・・官能的に決める・・・・・』

・・・・・・デッサンの時と同じポーズを決めた。
その睦美の姿は、窓際の夕日に照らされて、最後を思わせる物悲しい美しさを放っていた。
そして、その窓の景色に目をやれば、いつの間にか吹雪は止み、日は半分と沈んでいた。
時間帯からすると、すでに睦美は帰路の列車の中で、家庭に戻ろうとしてるはずだった。
睦美は、この後の事は何も考えてなかった。
ただ最後となる特別な日を、最高の形・・・最高の至福で向かえたかった。
そして今、本当の意味での『真のデッサン』を迎えようとしていた・・・・・。


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