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『癒しの館』〜変態マッサージ店〜
【レイプ 官能小説】

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『癒しの館』〜変態マッサージ店〜-4

 いつも待ち合わせ場所に使っている、パスタが安くて美味しいお店。ゴーダチーズ、モッツァレラにゴルゴンゾーラ。3種類のチーズが絡められた特製パスタを頬張りながら、美香はけらけらと笑い、よく喋った。

 目の下にやや疲れが見えるものの、肌の張りや全身から滲み出る溌剌とした雰囲気は衰えない。なんだかすごくうらやましくなってくる。大好きなはずのトマトとバジルのパスタソースもいまいち美味しく感じられない。口の中に酸味だけが残る。フォークを皿に置き、水の入ったグラスに手を伸ばした。
 美香が心配そうに顔を覗き込んでくる。

「もー、ほんとに元気ないじゃない。仕事頑張り過ぎなんじゃないの?たまにはストレス発散しなきゃ」

「美香はいいわよ、ストレスなんて溜まらなさそうだし・・・わたしもう本当にくたくたなの」

「失礼だなあ、わたしだってストレスくらい溜まるって!使えないバイトに低い客単価、本部は毎日ノルマのプレッシャーかけてくるし。クレームだってわけわかんないのがいっぱいあるわよ、今日だってさぁ・・・」

 そこからひとしきり美香の愚痴が続いた。でも美香の話し方は嫌みが無くて、腹が立つ上司のことも変な客のことも面白おかしく聞こえてくる。つられてわたしも自分の今日のセクハラ体験や有り得ない忙しさなんかについて次々と愚痴を吐き出した。

 怒ったり笑ったりしているうちにだんだんお腹がすいてきて、いつのまにか目の前のパスタはお腹の中に消えていた。ふたりでデザートのメニューに目を走らせるころには、ほんの少し気持ちが楽になったように思えた。

 ガトーショコラといちごのショートケーキ。半分ずつ交換して食べる。蕩けるように甘い味が口の中いっぱいに広がる。温かい紅茶を口に含むと、すっきりとした風味が鼻を通って抜けていった。美味しい。

 このあとどうする?と尋ねると、美香が白い歯を見せて笑った。

「おっ、元気でてきたじゃない。それでね、電話で話した癒しスポットのことなんだけどさぁ」

 バッグの中から財布を取り出し、そこに挟まれた一枚の名刺を抜き取った。渡されたそれを見ると、そこには濃いピンクに白抜き文字で『癒しの館』なんてあやしげな文字が書いてある。住所と電話番号、裏側には簡単な宣伝が印刷されていた。

「あなたの心と体の疲れを癒せる極上の体験をお約束いたします・・・か。なにこれ、ものすごくあやしいんだけど」

「そう言うと思った。でもね、友達がそこに通ってるの。彼女、そこがすごく良かったみたいで週に1回のペースで通ってるらしいんだけどさ」

 美香の友達はそこに通い始めてから傍目にもすごく変化があったという。どちらかというといつも自信なさそうな地味な感じの子だったらしいけれど、今は自信に満ち溢れてとても魅力的に見えるようになったという。うーん、どう聞いても疑わしい。

「ちょっと美香、それ本当?騙されてんじゃないの?」

「ほんとだって!それでね、あんまり急激に雰囲気変わったからさ、どうしたのって聞いたらココを教えてくれたの。ちょっと行ってみたいなって思うじゃない」

 わたしたちと同世代の30歳を少し過ぎたばかりだというその彼女は、やや若返って見えるようにもなったという。その言葉にぐっと心が引き寄せられる。

「若返り、かぁ。それはいいかもしれないな。でも高いんじゃないの?」

「それがさ、そのひとによって料金が違うんだって。だから行ってみないとわからないらしいよ。あんまり高いようだったら帰っちゃえばいいんだし、ね?行かない?」

 再び名刺に目を落とす。そこに書かれた住所はここからそんなに遠くない。営業時間は午後2時から午前7時まで。この疲れが少しでもマシになるのなら行ってみようかな。わたしがそう言うと、美香は手を叩いて喜んだ。


それが、まさかあんなことになるなんて。


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