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共犯ゲームU
【SF 官能小説】

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カオルの逆襲-1

 僕は全てを悟った。
イズミさんは他の女性たちと比べると何か反応が違った。きょうで2回目だが、仕事を口実にして体を愛撫させていた。
それは雑誌の体当たり取材ではなく、モニターを調査する仕事だったのだ。
しかも、僕にルールを破るようにするための任務を持っていたのだ。何のために?僕をクビにするためか? それだけではそんな回りくどいことをしなくても済む筈だ。すると……。

 僕はいつものように実験体の香水の瓶を入れるボックスにブレンドXを入れた。
それは中で傾斜を転がって行き、部屋の向こう側で受け取られる。
そして僕は脱臭噴射室に入る。脱臭成分の入った霧が噴射され全身に浴びる。
これで僕の体の匂いは消えた筈だ。
脱臭室を出るといつものように矢崎さんが待っていた。
「随分減ったわね、たった1回しか使ってないはずなのに」
「すみません。蓋が緩んでいて中身を少し零してしまったようです。ポケットが濡れていましたから。もうすっかり蒸発してしまいましたけれど」
 僕は嘘を言った。タカシにも分けてあげていたのとは別に小さな小瓶にもう1・2滴分取っておいたのだ。
携帯で呼び出されてからその作戦を思いついたのだ。
「本当にとんでもないことをしてくれたわね。
折角の最優秀のモニターだったのに。
ちょっと待ってね、今までの報酬を途中まで計算してあるから」
 僕は矢崎さんがお金を取りに背中を向けた隙に小瓶の中身を自分にかけた。
 


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